別居中の夫が強引に子どもを連れて行ってしまったけれど納得できません。

1か月前、夫が突然家を出てしまいました。私はショックでしたが、子どもと一緒にやっていくしかないと頑張っていました。ところが、今日突然、夫と夫の両親がやってきて、「この子はうちの跡取りだからうちでしっかり育てる方がこの子も幸せだから」と言って、強引に子どもを連れて行ってしまいました。私は子どもと離れて生活することは考えられませんし、夫のやり方は余りに一方的で納得できません。どうしたらよいでしょうか。

松浦 恭子 先生
修猷館高校、九州大学卒。44期。松坂法律事務所を経て1994年に現事務所に入所。弁護士登録以来、薬害HIV,薬害肝炎事件などの集団訴訟に携わりながら、子どもの権利に関する事件に一貫して関与している。特にセクシュアルハラスメント事件や性被害、DV被害の事件を多数手がける。 趣味は、図書館や美術館巡り、エレクトーンなど。あこがれの山登りや一人旅にも行きたいと考えている。

家庭裁判所に対して、子の監護者の指定及び子の引渡を求める審判(調停)を申し立てることができます。早めに弁護士に相談しましょう。

事態が次々に動き、あなたもとてもショックが大きかったでしょうね。お子さんにとってもこのように生活環境が急激に変化し、それまでお子さんの面倒を主にみていたお母さんと引き離されて生活することは、心身の発達にも大きな影響を与える可能性があります。

一般に、両親が別居する時には、お子さんのそれまでの生活環境を継続できるようにすることが望ましいのです。お子さんの生活環境とは、単純に同じ住居で生活するということのみではなく、お子さんが幼ければ、主に養育をおこなってきた養育者が変わらないということが、お子さんの心理的な安定や成長にとって非常に重要になります。特にお子さんと母性或いは母性的な人との安定的関わりは非常に重要な要素と指摘されています。

あなたの場合、夫とその両親の行為は、上記に述べたようなお子さんの生活環境の安定、母性との安定的関わりを突然侵害するものといえます。

また、法的には、離婚も成立していない段階ですので、お子さんの親権者はあなたと夫のお二人ですから、あなたにもお子さんを養育する権限があります。

そこで、このような場合には、家庭裁判所に対して、子の監護者の指定及び子の引渡を求める審判(調停)を申し立てることができます。そしてお子さんの状況がとても不安定になっているなどの実情がある場合には緊急の手続である保全処分の申立も可能です。これらの申立は連れ去られてからなるべく早く行うことが望ましいので、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

 

女性協同法律事務所
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「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。