離婚届は、子どもの親権者を決めてから出すべきでしょうか?

先日、子どもを連れて家を出て、別居に踏み切りました。家を出る時に、妻の欄に署名捺印した離婚届を置いてきました。 しかし親権者をどちらにするかということは決めておらず、親権者を取り決めてから離婚届は出すべきなのではないかと思えてきました。このままでいいでしょうか。


佐木 さくら 先生
京都大学法学部卒。54期。2001年10月から弁護士としてスタートを切る。弁護士として要求される「離婚」を巡る専門知識・技術を磨くと同時に、「結婚」を巡る知識・技術も磨き、今ではその成果を達成し、私生活も充実している。

離婚届の不受理申出の手続きをして、夫との間で取り決めをしてから離婚届を提出しましょう。

もし夫が、あなたが置いてきた離婚届に、お子さんの親権者を父親と記入した上で、離婚届を提出すると、親権者は父と決まってしまい、あなたの方から裁判を起こして、その有効性を争わなければならなくなるのでやっかいです。

そこで離婚届の不受理申出の手続きをすることをお勧めします。不受理申出がされた後に、夫から離婚届が提出されても、受け付けられず、その離婚届は無効になります。
不受理申出の手続きは最寄りの役所で行うことが出来ます。その際、本人確認がされますので、運転免許証等の身分証明書が必要です(運転免許証と住基カード以外のもので身分を証明されたい場合、事前に提出先の役所に確認をされるのが確実です)。申出書は所定のものが役所に備え置いてありますので、担当の窓口に印鑑を持って出向いて下さい。

夫との間で取り決めが出来た場合は、不受理申出を取り下げて、離婚届を提出して下さい。但し調停離婚と裁判離婚の場合は、不受理申出の取り下げは不要です。

以上のように手続きは簡単ですので、是非、出来るだけ早く不受理申出をして下さい。

もし万一、子の親権者を父として離婚届が出されてしまったら、それはあなたの意思に反しているため無効であることを、早急に相手方に通知(後で証拠とするために内容証明郵便かメールで通知するのがよいです)して、弁護士にご相談下さい。

 

 

女性協同法律事務所
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「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。