高い?安い?不倫の代償(前編)

久しぶりの休日―。

ランチに出かける直前、明菜は一通の内容証明郵便を受け取った。

「ン?」

開けてみると弁護士、不倫、慰謝料、婚姻の破綻…。
難しい単語が並んでいる。

「受け取って10日以内に1000万円を支払わないと法的手段を講じます」って。

何これ?

明菜は、ランチどころじゃなくなったけど、
大名のカフェで待ち合わせてる由衣の顔が浮かんだ。

取り敢えず由衣に相談しなくっちゃ…。

明菜が職場の夏本と不倫していることを打ち明けているのは由衣だけだ。

「ごめん、遅れちゃって…」。

今日は地元TVのグルメコーナーでやっていた
フレンチトーストを食べることになっていた。
由衣に恐る恐る、さっきの郵便を見せてみた。

「ばれちゃったんだね、奥さんに。」

その後のコーヒーの味も明菜はあまり覚えていない。

「とにかく弁護士に相談してみようよ。」と一週間後に、ある法律事務所を訪れた。
由衣の知り合いの知り合いに紹介してもらった弁護士に相談するために。

フェミニンなワンピースで現れた弁護士は、郵便にササっと目を通すと
「夏本さんが妻子持ちだってことはご存じでしたか?」と
落ち着いた口調でゆっくりと明菜に質問した。

「あ、はい。でも、奥さんとは離婚の話が出てるって聞いてて…。
もうすぐ離婚が成立するから…って。」

弁護士は、「それ、どうやって確認しました?」

えっ?確認って…。
そういえば、最近、夏本の反応は今までと何となく変わっていたような気がする。

 

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高い?安い?不倫の代償(後編)」へ続く。

 

written by haruta