田中 彩さん/「もう一度働きたい」 ママと社会に架け橋を

子育て中の専業主婦がこれまでの仕事で培ったスキルや自分の強み、もう一度働きたい気持ちを壇上でスピーチする。共感した企業経営者から「いいね!」のプラカードが一斉にあがる。  

このユニークな企画「ママ・ドラフト会議」は『NPO法人ママワーク研究所』の事業の一つだ。

「『いいね!』と経営者から言われることで、ママの顔が自信に満ち溢れるんです」と田中彩さん。企業にとってはスキルの高いママが潜在的にいることのアピールになる。

自身も専業主婦と子育てを続けながら、社会から必要とされていないのではと焦った経験がある。ほかのママたちのことが知りたくなり、福岡市の調査研究事業に企画を応募して調査した。見えてきたのは、専業主婦で再就職したい人が86%もいたこと。仕事への募る思いを綴った、子どもの手跡が残るしわくちゃのアンケート用紙。「そのままにできないと思いました。今に繋がる私の原動力です」。ママも企業も互いが歩み寄って満足できる働き方のスタイルを作りたい、と女性の起業支援セミナーに通って目標が定まった。早速ビジネスプランコンペに合格して資金を確保。田中さんの情熱に心を動かされたメンバーが自然と集まり、今の形になった。

昨年は、提案した企画がモデル事業として内閣府に採択された。成長するスタートアップ企業で求められる、オフィスワークのプロを養成する講座だ。結果、3割が再就職へと進んだ。その成果を受けて、今年からは自主事業としてスクール展開する。その名も「ママ・ボランチ育成講座」。子育ての制約があっても、「企業になくてはならぬ人」を輩出していきたいと意気込む。 

「何かの事情で退職してもキャリアバックできる社会にしたい」。ママたちの真剣な眼差しを受けとめ、かたちにする人が、ここにいる。

『NPO法人 ママワーク研究所』理事長
田中 彩さん

佐賀県唐津市出身。一女一男(13歳・9歳)のママ。ベンチャー企業で総務部長を務めるが出産を機に退職。主婦の傍ら、社会保険労務士など数々の資格を取得。再就職するも育児と仕事の両立が難しく断念。第2子出産後はボランティア活動に打ち込む。母となった女性が心も体も健康になることを目的とした『バランス・ママン』を福岡市内で立ち上げた後、福岡市アミカスの助成事業として200名の「働きたいママ」を調査。その結果を受けて2012年にNPO法人『ママワーク研究所』設立。理事長を務める。

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▲ 1.「ママ・ドラフト会議」ファイナリストのママたち。思いの詰まった3分間のスピーチは感動的。賞を手にスマイル。

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▲ 2.『ママワーク研究所』理事メンバーでの記者会見。「ママ・ドラフト会議」という新しい就労応援スタイルに多くのマスコミ関係者の注目が集まった。

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▲ 3.事務所は、子連れOKなため土足厳禁。企業から受託した仕事を行うママオフィスとしても使われる。


NPO法人 ママワーク研究所
福岡市中央区西公園
http://www.mamawork.net
営/10:00~17:00
休/土・日曜、祝日
TEL/092-732-7663

written by 編集部