河野 きり子さん/日本語教師が活躍する フィールドの広さを伝えたい

「擬態語のコロコロとゴロゴロの違いを日本語が分からない外国人に理解してもらえた時などは、鳥肌が立つくらい感動的」と言う河野きり子さんの教授法は、学習者の母国語など媒介言語を使わずに “にほん語” を教える直接法というもの。授業には絵カードや表情、動作を駆使するなどユニークな教材やテクニックが多用され、学習者はまず五感を通して、言葉を脳にインプットできる。それはまるで言葉という概念すら持たないヘレン・ケラーにサリバン先生が、「水」という言葉を教えるシーンを彷彿とさせる。「日本語教師になりたての頃、研修で長沼式直接法に出会いました。運転免許に例えると一般的な教授法が座学優先だとしたら、このメソッドは実際に道路を走るところまで着実に導いてくれる実践的な教え方でした!」

以来、直接法の研鑽研究が大きなテーマに。日本語学校で長年指導にあたり、その後、多くの日本語学校の設立や再建などをサポート。2013年には「河野流としてフラッグを立てることで他の教授法とも切磋琢磨し、日本語教師の育成力を全体として底上げできれば」と『FUKUOKAふぁん』を設立した。

日本語教師の活躍のフィールドは非常に広く、ニーズも高い。「子育てと両立させやすい仕事だし、海外からの求人も多いので、今の仕事に悩んでいる人なら、半年か1年、日本語教師として海外で働きながら、自分や日本という国を見つめるのもオススメ。また日本を訪れる観光客に、 “にほん語” を通して日本文化を伝える仕事も今後は増えそう」。  彼女のもとからはたくさんの人材が巣立ち、アジアやヨーロッパの国々で活躍している教え子も多い。日本語教師の可能性をひらくメッセンジャーとして、河野さんのチャレンジは世界をフィールドにこれからも続きそうだ。

日本語教師育成講師 
河野 きり子さん

九州大学教育学部卒業、日本語教育能力検定試験合格。育児や主婦業と両立させながら、英会話講師、英語通訳、英語塾経営を経て、20年以上にわたり、日本語教育に携わる。2013年、「日本語を教えるテクニックをきちんと教えたい」と独立。自ら確立したメソッドで日本語教師を育成する『語学の教え方研究所 FUKUOKAふぁん』を設立。教えることを通して人に何かしらの影響を及ぼしたり、人生に関われることが醍醐味という河野さん。日本語の教え方の研究と並行して、来福する外国人に日本文化の魅力を伝える活動もしたいと考えている。

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▲ 1.河野さんと日本語教師のみなさん。日本語教師は「日本の代表」。身だしなみや立ち居振る舞いもトレーニングのポイントだ。

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▲ 2.河野さんのメソッドでは漢字を「Picture(絵)」として教える。「慰」はお母さんが子どもを抱いて慰めている絵に。河野さんの直筆。

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▲ 3.日本語学校と観光をタイアップさせ、日本文化を体験する企画も進行中。写真は、書道を体験中。


語学の教え方研究所 FUKUOKAふぁん
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written by 編集部