中村 俊介さん/みんなが笑顔になる「しくみを デザイン」して“世界一”の快挙を達成!

中村 俊介(なかむら しゅんすけ)さん
『株式会社しくみデザイン』代表取締役
1975年生まれ。名古屋大学建築学科を卒業後、九州芸術工科大学大学院(現・九州大学芸術工学研究院)で博士取得。研究の傍ら作品を発表。2004年九州工業大学「ヒューマンライフIT開発センター」立ち上げのため講師として招かれ、翌年『有限会社しくみデザイン』を設立、2009年に社名変更。「福岡ビジネス・デジタル・コンテンツ賞」大賞をはじめ受賞歴多数。2歳の娘がいる。

中村さんへ3つの質問

Q. この仕事に向いている人は?
A. 「こんなのあったらいいな」と思ったら、それを本当に作っちゃう。もしくは他の人に作ってもらえる人。

Q. あなたのバイブルは?
A. 読書は大好きで、いろんなジャンルを読みます。が、ほとんど一度しか読まないし…思い浮かばないなあ。

Q. あなたのメンターは?
A. うーん、特にいません。

みんなが笑顔になる「しくみをデザイン」して“世界一”の快挙を達成!

今年1月、福岡にビッグなニュースが飛び込んできた。インテル主催のアプリ開発コンテストで、世界16カ国2,800の応募作品から、福岡を拠点にする『しくみデザイン』代表・中村俊介さんの作品がグランプリを獲得したのだ。受賞作「KAGURA for PerC」は人の動きを見分けるカメラを使うことで、画面に触れることなく、体を動かすだけで誰でも簡単に演奏できる新世代の楽器。中村さんが見せてくれたデモは、実にクール! 試しに演奏させてもらうと、初めてでもすぐ演奏でき、何とも心地よく楽しくてたちまち虜に…。

インタラクティブな “楽しさ” を提案

小さなころからモノづくりが好きだった。九州芸術工科大学大学院(現・九州大学芸術工学研究院)を卒業し、2005年『しくみデザイン』を設立。人の動きに合わせて、モニターに音や映像が流れるインタラクティブ(双方向)コンテンツをビジネス化しようとしたが、数年はホームページやアプリ制作で食いつなぐ状態だった。転機は2008年、ゲゲゲの鬼太郎の映画PRに採用されたこと。大阪・道頓堀の大型ビジョンで、カメラに映った通行人に鬼太郎の衣裳と髪型をあてはめ変身させた。大勢の人がおもしろがって群がり、大きな話題に。以来、大手クライアントから広告案件が次々と舞い込んだ。「一方的に広告映像を流しても人の興味は惹けない。インタラクティブに遊べるしくみを作ればいい」と中村さん。道ゆく人が参加できるアトラクション感覚の新しいシステムは、案内モニターなどにも採用され日本中に広がっている。福岡では『JR博多シティ』のエレベーター横のモニターに導入。例えば、山笠の季節にはエレベーター待ちの人が映し出され「おっしょい」のかけ声とともにハチマキ&法被姿に変身。思わず笑顔が広がる。「みんなが楽しめるしくみを考えるのが僕の仕事。喜んで遊んでくれる子どもの姿を見るのがうれしい」。

世界をもっとクリエイティブに

2年前にはiPadアプリ「paintone」を開発。背景には「KAGURA for PerC」にも通じる自身の思いがある。「僕は音楽が好きだけど、楽器ができない。もっと誰でも自然に音楽に親しめるツールがあればとKAGURAを作りました。paintoneは音の鳴る絵を簡単に作れるお絵かきアプリ。どちらも気軽に遊ぶうちに作品ができて、モノを作る喜びに出合える。その成功体験が、みんなの新しい創造性の源になる。このしくみを使い、世界の人が何を作ってくれるかなと想像するとワクワクしますね」。遊び心と自由の翼を持ち、世界を楽しくしてくれる中村さん。福岡発・世界が注目するイノベーターの今後に期待したい。

written by 編集部