岡本 豊さん/『西鉄』の公式アプリ開発で一躍話題に! IT技術で人々の生活を豊かにしたい。

岡本 豊(おかもと ゆたか)さん
『株式会社からくりもの』代表取締役
1983年シンガポール生まれ、6歳から長野在住。長野工業高等専門学校を卒業後、エンジニアとして経験を積み、2010年福岡へ。2012年『株式会社からくりもの』設立。翌年、手がけたiPhoneアプリ「バスをさがす福岡」が日本最大級のWebサービス開発コンテストMashup Awards9で部門賞(Civic Hack賞)受賞。同アプリがベースとなり、西鉄バス公式アプリ「にしてつバスナビ」リリース

岡本さんへ3つの質問

Q. この仕事に向いている人は?
A. 常に進化する業界なので、自分で勉強していける人。

Q. あなたのバイブルは?
A. 梅田望夫「ウェブ進化論」。地元長野の会社に勤めてくすぶっていた時期に読み、視界が開けました。

Q. あなたのメンターは?
A. チャーリー・チャップリン、坂本龍馬、エジソン。3人に共通しているのはフロンティア精神です。

『西鉄』の公式アプリ開発で一躍話題に!
IT技術で人々の生活を豊かにしたい。

昨年末、設立からわずか2年の『株式会社からくりもの』が西鉄バスの公式アプリを手がけて話題を集めた。きっかけは、バスを探すアプリを同社が勝手に作ったこと。それが『西鉄』の目にとまり、日本では前例のない“ベンチャー×大手企業の協業”につながった。

「あったらいいな」から生まれた人気アプリ

同社を率いる岡本さんは長野出身。地元のシステム会社で4年働いた後、「独立するのにちょうどいい街」と感じた福岡へ。アプリ開発の仕事がどんどん増え、2012年に仲間5人で会社を設立した。社内のチームワークを高めるため2日間の合宿を実施し、テーマに選んだのは、バスを効率よく探すアプリの開発。「西鉄バスは路線が多く、どのバスに乗ればいいかわかりづらい。迷わず利用するためのアプリがあればいいと思ったんです」。『西鉄』のサイトと国土地理院のバス停情報をもとに独自に作ったiPhoneアプリ「バスをさがす福岡」をリリースすると、1年で5万5000ダウンロードを記録。人口500万の福岡県で1%以上が使った計算となり、iPhoneの普及率を考えればヒットといえる。ほどなく知人の紹介で『西鉄』本社へ出向く機会を得た。「慣れないスーツ姿で、菓子折りをしのばせて…。アプリを勝手に作ったから、怒られないかビクビクしてました」。ところが『西鉄』側は「これ、いいですね」と上々の反応。さらに公式アプリの作成まで依頼され「懐の大きさに感動しました」。1年かけて一緒に開発を進め、公式アプリ「にしてつバスナビ」が完成した。

便利な道具によって、人々に自由で有益な時間を

『からくりもの』が目指すのは人々の生活をより豊かにすること。「便利な道具を生み出すことで、人が機械に任せられる作業から解放され、クリエイティブな仕事や大切なことに時間を使えるようになってほしい」。そこには自身の体験が色濃く反映している。13歳の冬、いじめが原因で友人が自殺。17歳で「いじめから友達を守る会」を立ち上げ、全国の仲間50人と活動したが、インターネットで情報共有できるソフトがなく自ら作成。「こんなボランティアの分野にこそソフトが必要なのに資金がない。将来、起業して自分でサービスを作ろうと決めたんです。いじめは社会・学校・親のどれかが悪いという単純な話ではない。ただ、みんなにもっと余裕があれば…。例えば、僕らが作る道具で仕事が効率化され、親が早く帰宅できて、子どもと話す時間が増えるとうれしい」。

現代に生きる人々は忙しさにのまれ、人が本来持っていた豊かな対人能力や創造 性、大切な人と過ごす時間を失いがちかもしれない。IT技術によってそれを取り戻すため、岡本さんはこれからも突き進む。

written by 編集部