キャリア

福岡・北九州 働き女子の大解剖

「老後・当面の生活のため」の貯蓄をする人がかなり多い一方で、「旅行のため」といった楽しみのために貯蓄する女性たちが多いことがわかる。年代別に見ると、
20代「当面の生活のため」がトップだが、「結婚」、「留学・資格取得」、「転職・独立起業」のためなど夢や自己実現に投資する姿がどの年代よりも高い。
30代「旅行のため」がトップに。「特に目的はない」という人も多く、夢や目的を決めきれずに過ごしているのか?!
40代「子どもの学費のため」がどの年代より高く、教育費が家計を圧迫している様子が伺える。「老後の生活のため」という貯蓄目的もぐんと上昇

働く女性たちが、今現在お金を使っていることをたずねると、3つの要素が浮かび上がってくる。
1.ファッション
2.食(食費・飲み会)
3.自分磨き(学び・美)

「習い事・お稽古事」「自分磨き(美)」は年を経るほど出費割合が高くなるという結果に。一方、「スキルアップ」は、30代でいったん下降し、40代で最も高くなる。

働福岡でも数年前からどんどん出店され、いまや、市民権を得た「ファストファッション」は働く女性にも人気だ。「ユニクロ」が群を抜いてトップに立ち、次にGAP、しまむらと続く。百貨店・駅ビルとともに、安価なファッションも上手に取り入れる賢い消費者の姿が見えてくる。

通販ショッピングを利用する人が増えているものの、ファッションアイテムを購入するときには、実物を見て、購入する女性がほとんど。実際に手にとって、試着をするなど納得したうえで購入したい女性たちの気持ちが見える。


福岡エリア
1位 博多阪急
2位 大丸
3位 アミュプラザ博多、岩田屋

北九州エリア
1位 小倉井筒屋
2位 アミュプラザ小倉
3位 コレット井筒屋

ファッションは都心の百貨店、駅ビルで買う人が多い一方で、イオンやマリノアシティなどの郊外の大型モールでの購入もかなり多い。モールは、特にファミリー層の需要が高いと思われる。

ムダな出費を抑え、貯蓄をしようと考える堅実なお財布事情が垣間見える(青枠)。一方で、自分の好きなことや、「これ」と思ったものには惜しみなく使うという結果に(赤枠)。

「自己投資の実現度」が高いほど、「仕事&生活の充実度」も高いという、相関関係がみられた。自分の好きなことにお金を使い、自己投資にお金を惜しまない人ほど、仕事や生活にやりがいや満足を感じやすい、と読み解くことができる。

【avanti働く女性研究所調べ】n=168 調査期間/平成24年12月17日〜平成25年1月21日
●年齢/20歳〜24歳2.4%、25歳〜29歳11.9%、30歳〜34歳21.4%、35歳〜39歳19.6%、40歳〜44歳18.5%、45歳〜49歳14.9%、50歳以上11.3%●未既婚/未婚48.2%、既婚39.9%、経験あり11.9%●雇用形態/正社員58.3%、契約社員 13.1%、派遣社員7.7%、パート・アルバイト13.1%、経営者4.2%、休職中3.6%●職種/事務50.0%、営業10.5%、販売1.9%、接客7.4%、専門職22.2%、管理職3.1%、その他4.9%●勤続年数/1〜4年42.6%、5〜9年32.1%、10〜14年11.1%、15〜19年4.9%、20〜24年4.4%、25〜29年4.9%、30年以上0%●従業員数/10人未満17.3%、10〜30人未満18.5%、30〜50人未満4.9%、50〜100人未満9.3%、100〜300人未満16.0%、300人以上34.0%

「何を買うか」を決定するときの多くは「女性」に決定権があるといわれています。男性の衣服を買うにも女性が買ってくることが多く、家や車といった高額な商品も妻の意見を汲んだ上で決定する、というシーンもよく見られますね。女性誌がこれだけ多く発行されているのも、女性たちが消費を牽引しているからと言えるでしょう。それだけ「女性」と「消費」は切っても切り離せない関係なのです。 福岡の働く女性は、果たしてどんな消費行動をしているのか。アンケートの結果からもわかるように、現在、女性たちの消費は「食」と「自分磨き」、とくに「美」に対して消費額が大きいことがわかります。

こういった消費スタイルは、街の特徴にも表れています。福岡市は焼鳥店の数が全国1位(21都市中)だったり、魚を扱う飲食店の数が人口当たり全国2位だったり、スペイン・メキシコ・イタリア料理の店数も全国1位 だったりして、「食」がとても充実した街なのです。

また「福岡の女性は美しい」と関東から転勤できた男性が口にしているのを聞いたことがあるかもしれません。その根拠も街の特徴にあります。女性1万人あたりで、ヨガ教室、エステティックサロン、レストラン、婦人服店などが全国で一番に多い都市(政令指定都市中)なのです。女性たちが「自分磨き」に自己投資するからお店が増えたのか、お店があるから消費が促されたのかどちらが先かはわかりませんが、女性たちの消費と、福岡という街の特性には何らかの関係があると言えそうです。

また、福岡で働く女性たちの中には、目的を持って地元を離れ、活力ある都市(とはいえ、東京や大阪の大規模ではない身近な都会)に身を置いて自分の生活をする九州各県出身の人も多い。そうした影響もあって、福岡で働く女性たちは積極的で向上心ある人たちも多いと言えます。そんな彼女たちの消費の特徴は、なんと言っても「メリハリ消費」。現在の社会情勢から将来に対する危機感を抱き、普段の生活は細かいところまで節約する。一方、ここぞという自分が納得したものに対して、消費額をいとわないという消費の仕方です。このような消費行動をするためには「価値を見極める力」が備わっていないと、いざというときに出費できません。裏を返せば、メリハリ消費をしている女性たちは「目が肥えている」人たちと言えるのではないでしょうか。昔からよいものに触れる機会があったり、経験しているからこそ「選択眼」を持っているのです。

※1 出典:サイト「Fukuoka Facts」 ※2 出典:データブック九州

株式会社ジーコム取締役・調査研究部部長
神崎 依子さん
大学卒業後、大手金融機関を経て1993年に福岡、九州地場でのマーケティングリサーチ会社『株式会社ジーコム』へ入社。現在取締役。福岡の街づくりに関する講演やセミナーで講師としても活躍。

女性たちが「今後、お金を使いたいこと」に選んだのは「旅」と「自分磨き」。実際にお金を使っているものとのギャップも伺える。普段節約する分、「使いたい」と思ったことへ投資する意欲が見てとれる。

 

かわいい子ほど、旅に出る?! 旅乙女
とにかく家にいることがニガテ。「CREA」の海外旅行企画が発売されれば必ず購入し、毎回誌面を眺めて夢を膨らませ週末ごとにお出かけをする。1カ月に一度は旅行に行き、県内~近県へと足を伸ばす。車を持つ友人と一緒に行くことがほとんどだが、モニターツアーに参加することも。一年に一度は海外旅行に行きたい! と思っているものの、ここ数年実現できていないので、今年こそはと画策しているところ。

習うは一生 学ビ小町
OL歴10数年。「このままずっとこの仕事をするの?」「いつか私に合う仕事があるはず!」と思い続け、アフター6はたくさんの習い事・スクールに通った経験アリ。英語、コーチング、コミュニケーション、カラー、といったスキルアップ系は数知れず、フラダンス、ヨガ、料理など趣味系習い事もある程度マスター。今現在は、もっと使える資格を取得するべく通信教育で中小企業診断士の勉強を始めたところ。

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