息子がネットワークビジネスに誘われた。違法ビジネスではないかと心配です。

子どもが、大学で、先輩から、起業用の教材販売の代理店になるビジネスに誘われました。教材販売や、勧誘によって新しい代理店を増やすことで、紹介料が入る仕組みだそうです。本人はアルバイト感覚ですが、違法なビジネスなのではないかと心配です。

学生起業などが話題になる一方、ネットワークビジネスの被害も広がっていて心配ですよね。
ネットワークビジネス、MLMなど言い方は色々ありますが、要するに、かつて社会問題になった「マルチ商法」と総称される「連鎖販売取引」なので要注意です。

マルチ商法は、商品やサービスの販売を、人から人に組織を広げる形で行い、末端の人は勧誘相手が乏しくなってしまう…という特徴があります。
似た仕組みとして、ねずみ講があり、これは、「金品を払って参加し、子・孫会員が払った金品から配当を受ける仕組み」で、人口が有限である以上、無限の連鎖はあり得ず、必ず末端の人が損をする仕組みなので、犯罪として取締対象とされています。

マルチ商法は、商品やサービスの取引として、それ自体が違法とはされていませんが、その仕組みから、無理な勧誘が行われがちなので、特定商取引法で厳しい要件の下、制限的に認められています。商品やサービスと手数料等が見合わない場合には、無限連鎖講の脱法行為と評価する裁判例もあります。
少なくとも、業界団体の自主規制では、学生や未成年者を会員とすることを禁じていますので、ご相談の案件は、学生を対象としている点で、モラルが守られていないと考えた方が無難でしょう。

マルチ商法では、勧誘を巡って人間関係を損なったり、自分や勧誘相手が借金を重ねて苦しむ等のトラブルも多発していますし、場合によっては犯罪加害者にもなりかねません。

子どもさんには、関わらないように助言なさって下さい。納得されない場合には、弁護士に、組織の仕組みなどを相談して助言を得るよう勧めるのもいいと思います。

なお、マルチ商法では、契約書または商品を受け取った日から20日間、書面によって解除(クーリングオフ)ができる他、一定の場合に組織から脱退ができる中途解約権が認められています。

答えてくれたのは・・・相原 わかば 先生

首都圏と北海道を行き来して育ち、一橋大法学部卒。2006年、北海道から現事務所に入所。省エネ・脱使い捨て社会に関心があり、楽しく実践しているつもり。寒冷地仕様の体ながらクーラーも不要。物持ちもにも自信あり。

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女性協同法律事務所について

「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。