事実婚で困ることってあるの?夫婦別姓はいつ始まるの?

彼とは結婚を考えていますが、二人とも名字を変えたくありません。事実婚の場合に困ることはありますか?夫婦別姓はいつ始まるのでしょうか?


中西 俊枝 先生
一橋大学法学部、大阪大学大学院高等司法研究科卒。新62期。2011年9月、大阪からの登録替えで当事務所に入所。生まれも育ちも大阪だが、福岡県出身の母に育てられ、福岡での生活に心地よさを感じている。先輩方のように、女性や子どもの事件に逞しく取り組める弁護士になれるよう、一つずつ経験を積んでいくことが目標。

 

事実婚であっても、法律婚と同じ扱いを受ける場面は多々ありますが、相続は認められません。

現在の法律では、結婚のときに、男性又は女性のいずれか一方が必ず姓を改めなくてはなりません。そして、現実には、女性が姓を改める例が圧倒的多数です。そのため、女性が自分の姓を大切にしたいと思っている場合や、姓を変えることによって職業生活上不利益を被るような場合には、婚姻届を出さずに「事実婚」を選択する夫婦が増えています。  事実婚であっても、法律婚と同じ扱いを受ける場面は多々あります。たとえば、健康保険や年金では、事実婚も法律婚と同じ扱いがされます。民間の職場でも、扶養手当、死亡退職金などの面で、法律婚と区別されなくなりつつあります。また、住宅金融公庫から融資を受ける際には、事実婚であっても連帯債務者になることができます。  もっとも、事実婚の場合には、相続は認められません。二人の間で生まれた子どもは、原則として母の戸籍に入り、父の認知によって初めて、法律上の父子関係が成立します。なお、戸籍や住民票での、婚外子と婚内子の記載の区別は、近年なくなりました。

実施が議論されている選択的夫婦別姓は、夫婦が同姓か別姓かを選べる制度です。日本は国連から、夫婦別姓を導入していないことについて強く指摘を受けていますが、一部議員の反対により、実施が見送られています。早く実施されるといいですね。

女性協同法律事務所
福岡市中央区天神2-14-8 福岡天神センタービル4階
TEL 092-751-8222
http://www.josei-kyodo.jp/
「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。