淵 郁子さん/すべての経験がキャリア。 女性であることを 最強の営業ツールに前進。

淵 郁子(ふちいくこ)さん
福岡ソフトバンクホークス株式会社 
事業統括本部 営業本部 第2営業部 部長

航空会社でCAを勤めた後、結婚を機に退職。専業主婦として3人の子どもを育てる傍ら、PTA活動やボランティア活動に注力。その後、派遣社員として「福岡ドーム(現ヤフオクドーム)」のスーパーボックスで接遇を担当。2007年に『福岡ソフトバンクホークスマーケティング株式会社(当時)』に入社。現在、事業統括本部営業本部第2営業部部長として法人営業を担当。

すべての経験がキャリア。女性であることを最強の営業ツールに前進。

15年のブランクを乗り越えての社会復帰。「資格もない普通の主婦でした。育児やPTA活動経験が人としての土台を鍛えてくれたのかな」。笑顔でそう語るのは『福岡ソフトバンクホークス株式会社』で意欲的な男性部下を抱え、法人営業を率いる淵郁子さん。女性ならではの視点と立ち回りで、ホークスブランドを支える人物だ。専業主婦からの華麗なる転身。その陰には、淵さんならではの流儀があった。

学校や地域は社会の縮図人間力を鍛えるチャンス

20歳で結婚し、3人の子どもを出産。27歳といえば第一子が小学生となりPTA活動に奔走していた時期だ。海外単独赴任が多い夫の留守を守り、3児の子育てと家事に没頭、食事も衣服も手作りだったという専業主婦時代。一方で子どもが通う小学校のPTAでは国際交流委員会に参加、「アジア太平洋こども会議・in福岡」で海外の子ども達のホームステイ受入先になる等、ボランティア活動にも積極的に関わった。

といっても楽しいばかりではない。ボランティアだからこそ、関わる人達の思いを一つにまとめるコミュニケーション能力が問われた。「PTAは社会の縮図。その後仕事をする上でのスキルがここで身についたと感じています」と振り返る。結婚や出産でキャリアが途絶え、社会から隔絶されることに不安を感じる女性に対して「育児期の経験はその時にしか味わえない。主婦の経験もけっして無駄にはならない」と力強くエールを送る。

女性らしさを最大の武器に

33歳で離婚し、派遣として福岡ドーム(当時)のスーパーボックスシートで接遇を担当。その働きぶりが評価され2年後に正社員へ。野球という男社会、新設された法人営業の部署、何もかもが手探りだったが持ち前の覚悟と行動力で道を切り開いていった。社外での会合には女性らしい雰囲気で参加することを心がけた。初対面の人に手書きでお礼状を送る等ていねいに人間関係を築く彼女の姿は社内でも認められ、主任から次長そして部長へと昇進。部下が「上司を連れて行きます」と約束した大事な商談に同行すると、取引先は面食らうことも多いという。「上司がまさか女性だとは思わないみたいですね。でも、男同士では話が通りにくいことも、女性の私ならしなやかに対応できる。部下が仕事しやすくなるなら、女性という武器を最大限に活かそうって思っています」。

第一線で活躍する中で見えてきたことがあるという。「男社会の業界ですから、役職を持つことで取引先と対等な関係が築けました。でも仕事のスタイルまで、男性に張り合ってがむしゃらにやるのではなく、女性らしさ=自分の個性として意識することが大切」。男女がお互いの強みをいかして補い合う関係を構築することが、真の意味での平等だと考える。「すごいのはホークスであって私ではない」と朗らかに笑う淵さん。そのバランス感覚は専業主婦時代に培われたもの。「主婦業って〝誰にもほめられない、上手くいって当たり前〞でしたから。だからこそ仕事のやりがいとありがたみを実感し続けています」。すべての経験をキャリアに前進し続ける淵さん。「ホークスを応援してよかった! と思っていただけるようがんばります」と目を輝かせる。

written by 編集部