デザインがまちを変える

地域創生やまちづくりの活動が全国的にも盛んな今、まちや地域の魅力をどういう風に見せ、形にし、伝えていくのか、という“デザイン”の役割も大事な要素のひとつ。今月はそんなデザインの力が活きる福岡県内の実例をいくつか紹介しながら、表現や時にはブランディングにまでかかわるデザイナー・クリエイターたちの仕事を紹介します。


京築(けいちく)セレクト
京築の美味しいものに、お墨付きマークを。京築発ブランドで、地域経済を盛り上げる。

豊かに実った穂のように金色に輝く「京」のロゴ(※1)。これは福岡県の京築エリアで作られ、一定条件を満たした特産品につけられる「美味しさのお墨付きマーク」だ。『京築セレクト』と名づけられたこの地域ブランドの選定と運営をしているのは、行橋市に拠点を置く「京築里山商会」。京築の恵みを全国に、世界に、というコンセプトで活動を展開している。

きっかけは熊本出身で結婚を機に京築に住むことになった吹上紘子さんが、“よそ者”視点で素直に感じた京築の魅力を周囲に伝えていきたいと思ったことから。地域と環境、ライフスタイルのデザインを目指すNPOを立ち上げ、料理教室や里山学校、マルシェなどを行っていたが、行政の雇用創出事業も後押しし、本格的に京築の特産品を総合プロデュースする事業を立ち上げた。

吹上さん(右)「生産者にきちんと利益が出ることを大前提にしたオリジナルのアイテムをこれからも増やして、京築の恵みをひとつひとつ宝石のように大事に届けていきたい。」河野さん(左)「他にはないその土地らしさを見つけて、大切に育て、長く続いていく商品づくり、ブランドづくりが本当の地域活性になるのだと思います。」

この事業のブランドづくりで白羽の矢が立ったのが北九州に拠点を置くカワノデザインスタジオの河野靖弘さんだ。これまでも小倉のまちづくり事業等に参加し、ロゴや広報・販促ツールのデザインを多く手がけた経験を持つ彼を仲間に迎え、作る人の思いやプロセスまでを含めて届けるにはどんなものがいいかをていねいに話し合いながら作った。「ただデザインだけ依頼してもいいものはできない。これは商品開発を通じて学んだことですね。河野さんの出す案はほとんど的を外さないからさすがだな、と思います」と紘子さん。事業はまだ始まったばかりで試行錯誤も多い。だが目指すゴールを共有し、ともに悩み、考えながら「京築セレクト」はこれからどんどん進化していく。

醤油醸造元4社、農家を含む果実加工品生産者5社の協力のもと作られたシリーズ。これまで各事業所で作られ、地元で販売されていた商品を、首都圏や県外の都市への商圏拡大を狙い、シリーズとしてリデザイン。デザインの可愛さに手にとってもらえることも多い。

【左】(※1)「京築のおいしいマーク」がコンセプトの「京築セレクト」のロゴ。「実り」をイメージした金色に、直感的においしそうなフォルム。はなまるのような周りの囲いは、京築エリア2市5町がスクラムを組んで協力しているようにも見える。

【真ん中】シンプルでオーガニックなライフスタイルを提案するブランド「bio garten」のハーブソルトとペッパーソースゆず。『ハーブソルト』各40g/800〜900円(ベーシック、ペッパー、ゆず)※ベーシックは100gあり1,500円 ペッパーソースゆず 100ml/800円

【右】今年3月に千葉の幕張で行われたアジア最大級の食品・飲料専門展示会「FOODEX JAPAN/国際食品・飲料展」に出展し、個性的なディスプレイで勝負。届けたい人に届く演出を行い、手ごたえを感じた。

京築セレクト 行橋本店/京築里山商会
住/福岡県行橋市中央3-2-22
TEL/0930-28-8866
http://satoyama-shokai.com/
Facebookページ 「京築里山商会」
京築セレクト取扱店/D12(博多リバレイン内)、ほか


design/direction
カワノデザインスタジオ
http://www.kawano-design.com/

written by 編集部