管理職の私。女性を積極的に起用したいけれど…これって「逆差別」になる?

私の職場は、美容業界で社員の8割が女性ですが、支店長などの役職のほとんどは男性です。女性管理職は先輩と私の2人だけ。上層部は、「上に立つのは男。女に下をまとめられない」という感覚です。幸い、地区の担当部長は、男女の別なく扱ってくれ、私は4年前から支店を任され、高く評価してもらっています。

後輩達にも活躍の機会を作りたいので、私が人事を任されている主任ポストは、過半数を女性にしたいのですが、「逆差別」と問題になりますか?

管理職に占める女性の割合が低い中で、女性を積極的に起用したいのですね。

まず、全労働者の中の女性の割合が8割ですから、女性管理職の割合もそれに対応させる、という目標は問題ありません。

次に、女性管理職の割合を高める方法ですが、女性のみを対象にしたり、有利に扱ったりすることは、注意が必要です。

均等法では、ポジティブアクションといって、職場に事実上生じている男女格差を是正して、均等な機会や処遇を確保するために、女性を有利に取り扱う措置が認められています。これが許されるのは、「格差がある」場合で、具体的には、「営業職」とか「○○以上の管理職」などの各雇用管理区分で、女性の割合が4割を下回っている場合です。

本件では、女性社員数は多くても、管理職では4割未満ということですから、管理職への昇進・昇格に関して、ポジティブアクションが許されます。

とはいえ、決められた昇進基準を満たすことは必要です。

基準を満たす人材の中から女性を積極的に登用することや、基準を満たす人材を育成するために女性のみを対象とした研修を行うことが、ポジティブアクションとして許されます。ポジティブアクションが認められない場合でも、男女労働者への研修実施や、昇進基準が男女に公正になっているか見直すなどの対策が考えられます。

なお、ポジティブアクションは、従前の慣行や固定的な性別役割分担意識によって生じている状況を改善する目的が必要ですので、単に、女性を優先し、有利に処遇したいという意図による場合は、均等法違反になることに注意が必要です。

答えてくれたのは・・・相原 わかば 先生

首都圏と北海道を行き来して育ち、一橋大法学部卒。2006年、北海道から現事務所に入所。省エネ・脱使い捨て社会に関心があり、楽しく実践しているつもり。寒冷地仕様の体ながらクーラーも不要。物持ちもにも自信あり。

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女性協同法律事務所について

「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。

私の職場は、美容業界で社員の8割が女性ですが、支店長などの役職のほとんどは男性です。女性管理職は先輩と私の2人だけ。上層部は、「上に立つのは男。女に下をまとめられない」という感覚です。幸い、地区の担当部長は、男女の別なく扱ってくれ、私は4年前から支店を任され、高く評価してもらっています。後輩達にも活躍の機会を作りたいので、私が人事を任されている主任ポストは、過半数を女性にしたいのですが、「逆差別」と問題になりますか?