生田 博子先生/マイナス60℃の世界、アラスカの魅力。エスキモーの知られざる暮らしとは。

生田 博子先生
九州大学  留学センター国際教育部門  准教授
米国アラスカ大学で学士・修士号、英国アバディーン大学で文化人類学の博士号を取得後、米国ダートマス大学極地研究所でポスドク。その後アラスカ州政府に文化人類学者として勤務。今年4月から現職へ。学生の留学サポートや留学生対象の講義、北極圏や文化人類学に関する授業を行う。

北極圏における持続可能な社会と開発
マイナス60℃の世界、アラスカの魅力。エスキモーの知られざる暮らしとは。

今月は、九州大学留学生センターに北極圏に住む先住民の研究をしている生田博子先生の研究室を訪問した。先生は、通算約20年のアラスカ生活を経て、この4月に九大に赴任したばかり。アラスカでは、州政府の主席研究者として調査研究、政府間の折衝などにあたっていた。冬は日照時間3時間、マイナス60℃になる極寒の生活から一変して福岡へ。「溶けそう…」な毎日らしい。

生田先生の専門は、文化人類学で、北極圏における持続可能な社会・開発についての研究をしている。もともと大手金融機関で一般職として仕事をしていたが、4年で退職。カナダ旅行のついでに寄ったアラスカでアラスカ先住民のお祭りに遭遇し、感銘を受け、そのまま大学に入学したのが今に至るきっかけだ。

アラスカには、エスキモーやインディアンなど20の異なる言語と民族がある。しかし、子どもが先住民語を母語として使っている言語はそのうちの2つだけ。彼らの生活の一部である鳥やクジラなど自然の様子を表現する何百年と変わらぬ踊りがあり、現代をテーマにした踊りもある。

一方で、石油、天然ガスなど豊かな資源に支えられ、州民には毎年1人当たり20万円ほどの配当もあるという。21世紀のアメリカ人としての生活と、ユニークな文化を持つエスキモーとしてのアイデンティティの狭間で彼らはどう生きているのか。

今回のゼミでは、人類学者として長年北極圏で調査をし、アラスカ州政府の研究者としての経験と、エスキモー研究の話を聞く。夏の盛りに、みんなで北極圏に浮遊してみない?

written by 編集部