父の遺産を兄が全て相続すると言っているのですが・・・

父は90歳です。
母は既に他界しており、子どもは私と兄の二人です。
兄は常々「家を継ぐのは自分だから父の財産は全て貰う。お前にやれるものはない。」と言っています。兄は結婚時に父から家を買ってもらっていますし、最近も車を買ってもらっていました。
私の相続はどうなるのでしょうか?



中西 俊枝 先生
一橋大学法学部、大阪大学大学院高等司法研究科卒。新62期。2011年9月、大阪からの登録替えで当事務所に入所。生まれも育ちも大阪だが、福岡県出身の母に育てられ、福岡での生活に心地よさを感じている。先輩方のように、女性や子どもの事件に逞しく取り組める弁護士になれるよう、一つずつ経験を積んでいくことが目標。


現在の日本の民法では、家督相続制度はとられていないので、兄妹で均等に2分の1ずつ相続することになります。

この先お父さんが亡くなられたら、相続人はあなたとお兄さんの二人です。現在の日本の民法では、家督相続制度はとられていないので、兄妹で均等に2分の1ずつ相続することになります。

もっとも、お父さんはお兄さんに相当な金額の生前贈与をされているようですね。お父さんはご高齢ですが、判断能力に問題はありませんか?もし、お父さんの判断能力が衰えているのに乗じて、お兄さんが贈与を受けているようであれば、お父さんの成年後見人の選任を家庭裁判所に申し立て、成年後見人からお兄さんにお金を返すよう請求してもらう必要があるかもしれません。

お兄さんへの生前贈与に問題がない場合、お兄さんには特別受益があったと考えられますので、その金額を相続財産に持ち戻さないといけません。具体的には、相続財産が5000万円、お兄さんが受けた特別受益の総額が3000万円であった場合、あなたが(5000万円+3000万円)÷2=4000万円、お兄さんが(5000万円+3000万円)÷2?3000万円=1000万円を相続することになります。なお、結婚時に多くの支度金をもらった場合なども、特別受益とされることがありますので、お兄さんが「妹にも特別受益があった」と主張することも考えられます。

ご両親が亡くなられた後、兄妹が遺産争いで仲違いをするというのは、本当に悲しいことです。遺産分割調停には時間がかかることも多いので、お父さんが元気なうちに遺言書を書いてもらっていた方が、後々安心できるでしょう。遺言書はできれば公正証書遺言にされておくとよいですよ。

 

女性協同法律事務所
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「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。