田中 宏暁先生/体がよろこぶ!健康的に美しくなる!「走ること」が、今わたしたちに必要な理由。

田中  宏暁(たなか ひろあき)先生
福岡大学スポーツ科学部  教授
1947年7月28日生まれ。 福岡大学スポーツ科学部教授、研究テーマは運動処方に関する研究、運動時の心負担に関する研究、運動と代謝、内分泌機能など。テレビ・雑誌の取材や 大学、地域などでの講演会で全国を飛び回る。「にこにこウォーキング&ジョギング2012」や「福岡大学市民カレッジ ホノルルマラソンを完走しよう!」のイベントなど、走ることの大切さを広める活動に尽力。

体がよろこぶ!健康的に美しくなる!
「走ること」が、今わたしたちに必要な理由。

今回アヴァンティ編集部が話を聞いたのは、福岡大学スポーツ科学部で「走ること」の研究を通して全国の講演などで活躍する田中宏暁先生。持久走やランニングはきつい、苦手、と敬遠してしまう人も、走ることが必要な理由や体に与えるうれしい影響など、「ちょっと走ってみようかな」と思える話を聞くことができた。

実は、カロリー摂取は減少傾向。
「糖尿病に代表される、昨今の生活習慣病の増加の原因はずばり、“運動不足”と“過食”が原因と言われています。しかし、実際には日本人のカロリー摂取は1980年以降は減少傾向にあるのです。1980年以降の摂取カロリーは1日当たり200~300kcal減っています。それなのに糖尿病の人が増えているのは、過食が原因なのではなく、圧倒的に運動量が減っているから。約300kcalのカロリー摂取の減少を、運動量の減少が原因だとして計算すると、毎日約10キロの歩行が足りていないことになります」。 
人々が運動不足になったのはここ数十年の生活環境の変化によるものと考えられる。人類の200万年の歴史から考えるとその変化のスピードはめまぐるしく、200mの長さで考えると、たった数ミリの間の出来事なのだ。電力の普及や交通機関の発達など世の中が便利になり劇的に環境が変化し、40年ほど前まで生活の中での自然な運動だった、田植えや稲刈りなどの農作業、遠くに行くときは野山を越える、急ぐときは走る、ということがなくなり、日常で体を動かす機会を極端に逃してしまっているのが、現代人なのだ。

美しくなる!脳が活性化する!女性たちが走り出した。
「現代人に運動が足りていない、意識的に体を動かしましょうという風潮が浸透し、福岡の街にも女性ランナーがずいぶん増えました。運動不足の解消やストレス発散など様々な目的がありますが、一番は体型やスタイルをよくしたいという目的の人が多いと思います。最近の若い女性は脂肪や筋肉が少なく、まっすぐに細い足をしていますが、意外にもおなかがぽっこり出ている人が多いのです。それに比べると、ランニングをしている人はおなかが引き締まり、程よく筋肉のついた健康的な美しさがあります」。 
田中先生によると、5キロのランニングを無理なく楽しめるペースで2週間続けると、見違えるほどおなかが引き締まり体型も変わるのだという。「走ることで達成感や爽快感を味わえる、ご飯がおいしく食べられるという醍醐味に加えて、最近では細胞が活性化し、頭の回転がよくなったり老化を遅らせるなど、脳の機能も向上することが明らかになりました。自分のために楽しみながら運動をすることで、化粧などで作り込んだ美しさよりも、内側から輝いてもっと美しく豊かに生きられるはずです」。 
今回のアヴァンティゼミでは、走ることで脳も鍛えられるということも学び、正しい走り方や、それによる女性のからだの機能や体型の変化について詳しく話を聞いてみよう。

written by 編集部