ニュースの目のつけどころ「自民党の多様性、 見せられるか。」

「自民党の多様性、 見せられるか。」

「私は素晴らしい国会議員」。
9月2日、自民党の野田聖子元総務会長は、都内で開かれた自身のパーティーで笑顔で語った。自民党の重鎮や東京都の小池百合子都知事らがかけつけて、会場は超満員だった。
ちょうど1年前、私は野田氏担当の番記者だった。

当時、自民党総裁選への立候補を模索した野田氏は苦しい立場だった。推薦人20人を集めるため100人以上に電話したが、応じる議員はわずか。告示日の朝7時まで、電話を握りしめて起きていたが、結局断念に追い込まれた。安倍晋三首相は無投票で再選した。

「総裁選をして、自民党の多様性を見せたい」。そう語る野田氏の言葉を至極まっとうだと感じていた。
あれから1年。相変わらず野田氏は自民党の要職から離れている。野田氏は自らを「往生際にいる『ふちこ』よ」と評する。失うものはない。だからこそ、腹をくくった行動ができるのが強みなのかもしれない。だって、あの総裁選で「ポスト安倍」と目される閣僚は誰一人として動くことができなかったのだから。

野田氏は初の女性首相という目標を今も胸に秘めている。小池氏は初の女性都知事。民進党は、蓮舫氏が「ガラスの天井を破る」と代表選に出馬。英国ではサッチャー元首相以来の女性首相が誕生。米国でもヒラリー・クリントン前国務長官が大統領選に挑戦中だ。

「ガラスの天井」が相変わらず分厚くのしかかっているのは、「女性活躍」を掲げる自民党ではないか。

そう考えると、野田氏にも、また新たなチャンスがいずれ来ると思う。もちろん推薦人という「壁」は自身が突破しなければいけない。野田氏の言うような「多様性」を自由に語れる場を自民党が持てるかどうか。野田氏の挑戦は、自民党の挑戦でもある。

朝日新聞 オリンピックパラリンピック・スポーツ戦略室主査
明楽 麻子さん

2001年入社。熊本総局、西部報道センターを経て2011年から2015年までは政治部で民主党、自民党などを担当。2015年10月からオリンピックパラリンピック・スポーツ戦略室勤務。

written by 編集部