国民一人当たり800万円の借金って本当なの?会計帳簿の面から日本の借金を分析するパート2

お待たせしました。それでは、前回に続き、日本政府の借金についての続編を記したいと思います。

前回の終わりに、1013兆円の借金(負債)があるが、同時に日本政府は680兆円の資産を有している為、差し引きした純資産額はマイナス333兆円となり、日本国民一人当たりの借金800万円とマスコミで言われているのは、266万円ではないのか?というところで終わりました。

では、この辺も違うと言うことも説明いたします。

まず前提をいくつか説明しましょう。

何度も何度も話しました通り、100借りてれば必ず100貸している人がいます
日本国政府は、子会社である日本銀行から3割強の借金をしていますが、残りの大半は銀行や郵貯や保険会社などの金融機関であったり年金などからです。

では、頭をフレッシュにして考えてみましょう。

銀行と言うのは、皆さんから預かった預金は負債(借金)となります。
え?
なぜなら、皆さんが銀行にお金を預けますと、金利が発生しますよね。
今は超低金利時代ですので、1000万円預けても1年後100円にしかなりませんが。。。苦笑

しかし、銀行からすれば、皆さんに金利を払っているので、預かった預金は負債となるわけです。

皆さんは銀行にお金を預ける・蓄えるという発想を思い浮かべると思いますが、そうではありません。我々は銀行にお金を預けていると同時に貸してあげているわけです

銀行はそのお金を利用して、住宅ローンやビジネスローンなどで融資した金利収入を得ます。

極論ですが、銀行が皆さんから預金ばかり預かるだけでは、金利の配当ばかり払わなければならなくなります。

しかし、長年続いたデフレ不況により(アベノミクス前は特に)企業も個人も借りることを控えていました。よって金融機関は貸す人が少ないので収益力が弱まります。よって政府に貸すという国債を購入して収益を上げていたわけです。

では、元に戻しましょう。
金融機関が政府にお金を貸す原資はどこからでしょうか?

そうです。
皆さんの預金です

我々は間接的に政府に「貸している」のであって、政府から「借りているのではありません」

マスコミなどで言われる国民一人当たりの借金、というのは、基本的な簿記の知識があれば全く逆ということが分かります。

宜しいでしょうか?国政選挙は、まさにここが重要なミソなのです。
我々は、政府に対して、間接的とはいえお金を貸してあげているのです。

たとえば、株主は会社にお金を投資します。

投資したお金を有効に活用して企業がしっかり利益を上げるかチェックしますよね。
同じことを我々は政府に対してチェックし、それを投票によって行動しないといけないのです。ですから我々は政府にお金を貸してあげ、なおかつ納税もしているわけですから、正しいお金の使われ方をしているのか?ということをチェックし、選挙にて審査すべきなのです。

では次に、日本国政府は本当に「破綻」してしまうのか?ということですが、これも間違いです。

そもそもなぜ破綻するのでしょうか?
簡単です。
借金を返せなくなるから破綻するわけです。
皆さんが、金融機関から借入を行ったとしましょう。
何かの拍子に失業してしまったとしたら、毎月の返済が出来なくなります。

ここがポイントです。
返済が出来なくなってしまったから破綻するのです。

よく日本政府はGDPの倍の借金を抱えているから危ない!!ということをマスコミで聞くと思います。借金の額は関係ありません。

なぜなら、通常、住宅ローンは、年収500万の人からすると3000万円の家を買ったりするのです。年収の6倍もの借金があるから、この人は破綻するのでしょうか?違いますよね。返せなくなったら破綻するのです。

では、日本はどうでしょうか?
日本国の政府・企業・個人全ての稼ぎであるGDPは500兆円あります。
また、ここも重要ですが、日本国政府は借金総額の95%を日本人から借りています。残りの海外からの5%の借金も全て日本円で借りています。

外国から、外国のドルやユーロで借りているわけではありません。

さらには政府には寿命がありません。
一般人でいえば、たとえば30歳で、35年住宅ローンを組むことは審査が通れば可能です。しかし、70歳の人が35年住宅ローンを組めるでしょうか?残念ながら天寿を全うする可能性が圧倒的に高いということ、さらには安定的な収益を得られる可能性が低い(もちろん一部の資産家、印税的収益を得ている方は別ですが)と見られる為、借入することはほぼ難しいでしょう

しかし、寿命がなければどうか?話は変わりますね。
そうです。政府には寿命がありません。よって、戦争などが起きて、日本の工場や会社、就業場所が失われて皆の稼ぎ口がなくなってしまえば破綻しますが、そういった緊急事態が起きない限り、日本政府は長い時間かけてでも返済能力を有していることになります。

特に重要なのは、日本国政府は日本円で借りていますから、万万が一、返済に困れば、日本銀行にお金の印刷を依頼すれば問題解決となります。
しかし、これは実際には、信用低下となりますので、直接政府が印刷を指示することはありません。
日本政府は借金を印刷して返すのか?と外国に思われるからです。
しかし、理論上は、日本政府と言う日本人が日本円で、日本人から借りているのです。よって、破綻するのではないということだけは、簿記と会計を理解すれば見抜けることになります。

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文/西坂智成

プロフィール

西坂智成
株式会社Brain Communications代表取締役
産経新聞西部本部 電子新聞販売顧問、「ジャーナリスト井上和彦」海外取材・講演企画テクニカルオペレーター、ファイナンシャルプランナー

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福岡県嘉麻市出身。地元高校卒業後、大手スーパー、地場コンクリート会社、外資系生命保険会社を経て、企業会計分析・創業支援コンサルタント、ファイナンシャルプランナーとして、「新聞経済欄が理解できるようになる」経済塾を開講。

また、会社経営の傍ら、ジャーナリスト井上和彦氏のオペレーターとして師事し、日本の近現代史の真実を広めるため、井上氏と共に積極的に海外取材を行う。

http://www.brain-com.jp/

written by 編集部