園藤 ふみさん/部屋は、心のうつし鏡。美しい暮らしが内面も整えなりたい自分に近づける。

img1612_27

部屋は、心のうつし鏡。
美しい暮らしが内面も整えなりたい自分に近づける。

 服で溢れるクローゼットに、散らかったリビングやキッチン。仕事や家事に追われながらがんばって片付けても、いつの間にか元通り。そんな女性達の悩みをスッキリ解決してくれるのが、園藤ふみさん。美しい住まいづくりのコンシェルジュとして、一人ひとりの生活スタイルや性格に合った片付けサービスや収納法を伝授するプロだ。しかしそんな彼女も、床が見えないほどの汚部屋に引きこもっていた時期があった。

引きこもり主婦からの転身

 片付けたいのに気力がわかない。外にも出られない。28歳の園藤さんは産後に体調を崩し、精神的にも落ち込む「産後うつ」を経験した。気持ちがすさむにつれ部屋も荒れる。息子共々アトピー性皮膚炎にも苦しみながら、自分を責めた。「友人がママサークルに連れだしてくれても、みんなの幸せそうな姿を見ると、なんで私は、と落ち込むので行かなくなった」。料理もできず、仕事帰りの夫が用意することもしばしば。3年経ってようやく体調が改善し、息子の習い事などに出かけるが、今度は連日の忙しさから片付けが進まない。そんなある日、とうとう夫から「最低限、人間が生活できる部屋にしてから出かけてくれ」と激怒された。「その時は、ママ業も主婦業もやっているのに、と腹が立って。絶対夫を見返してやる、と。これが転機でしたね」。

 元々は気が強く、完璧主義の園藤さん。自己流ではダメだと考え、「整理収納アドバイザー」の資格を取得した。片付けの基準が明確になると掃除もはかどる。好みのインテリアで部屋をしつらえ、生活がどんどん楽しくなった。その状況を、まだ利用者が少なかったブログに綴るとすぐにアクセス数がアップ。地元TV局の情報番組で「ブログの達人」と紹介されると、様々なメディアからも声がかかるようになり、あっという間に片付けや収納の専門家として知られるようになった。

先を見るだけでは不安が増すまずは自分の足元を整えて

「片付けが苦手な人は、方法を知らないだけ」。そう断言する園藤さんだが、多くの悩みや相談に応じるうち、片付けられない本質的な原因は、依頼者自身の気持ちの中にあることに気づく。過去の栄光や思い出を引きずって、物を捨てられない。仕事のストレスや将来への不安から、部屋の状態に気が回らない。「だから今は、部屋と一緒に心の整理もできるよう、コーチングを勉強中です。暮らしの基本である場が整うと、悩みも自然と消えていきますよ」。

 依頼者の心に寄り添うメンタルサポートの大切さに行き着いたのも、汚部屋出身で、その苦しさを知る園藤さんだからこそ。彼女自身も「もっともっと活躍したい。まだ自分が描いたところに行けていない」ともがき、これだけ思い通りになっているのに何の不満があるのかと訝しむ周囲と温度差があった。しかし、現状をしっかり認識し、未来を見るコーチングを学んだことで焦りもなくなり、今の幸せな状況に満足できるようになったという。昨年11月には、著書「男前収納でキレイになる片づけのコツ」も出版した。

 物を手放せば、不要な人間関係も手放せる。必要なものは、手放すことで空いたスペースに自然と入ってくるのだと園藤さんは教えてくれる。美しい暮らしは、なりたい自分に新しく変わる、最短の方法なのかもしれない。

『美収納コンシェルジュ』
園藤  ふみさん

1971年北九州市生まれ。法律事務所勤務を経て結婚。独自の収納術や暮らしを紹介するブログが注目され、TVや雑誌など、各種メディアへの露出が増加。現在は福岡、北九州を中心に、片付け収納サービスや講演、セミナー等で活躍中。これまでのべ650軒の個人宅にサービスを提供し、収納セミナーの受講者数は約4,000名にのぼる。

written by 編集部