【特集記事】ようこそ、おもてなしFUKUOKAへ

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街中で外国人の旅行客に道を聞かれることが増えた。近所のコンビニの店員さんがほとんど外国人になった。朝、出勤時にエレベーターが時々同じになる外国人。最近引っ越してきたのかな。
ここ数年、あなたの身近にこんなこと、増えていない? 異文化の人とともに暮らす、こんな光景が、
これからも増えていくであろう近い将来、わたしたちはどう彼らとつきあっていけばお互いハッピーだろうか?今月はそんなことを考えてみた。

増える福岡の外国人観光客と在住外国人

「福岡に外国人が増えている」というのは、ここ数年、日常の肌感覚でも多くの人が感じていることだろう。
 実際に統計で見ても、平成25年から急増した福岡空港・博多港からの外国人入国者数は、平成28年も伸び続けて250万人を突破。5年連続で過去最高を更新した。(図1)北九州空港も国際線が増便して、伸び率も好調だ。居住する外国人も急増ではないにしても、右肩上がりに増えている。(図2)
 観光で来るのと居住するのとでは事情が異なるが、福岡というまちを知り、魅力を感じる外国人の母数が増えることは、おのずと居住の可能性も高くなると見てよいだろう。現在福岡県は全国でも留学生の数が多く、東京、大阪についで3位。このことも福岡の国際化を後押ししていそうだ。
※1 資料:平成27年度外国人留学生在籍状況調査結果(独立行政法人日本学生支援機構)

(図1)福岡空港・博多港外国人入国者

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外国人入国者の構成

img1704_fukuoka3re※クルーズ船の国籍別内訳は公表されていないがほとんどが中国からと見られ、実際の構成比率は中国が増えると考えられる。
出典:平成28年 外国人入国者数について(経済観光文化局観光産業課/平成29年3月)

(図2)福岡県内外国人登録者数の推移

img1704_fukuoka4出典:法務省入国管理局「在留外国人統計」2015年12月末

福岡の国際意識レベルは、いま、どのくらい?言語の壁に隠れた、異文化理解の壁。

img1704_fukuoka5HAKATA外国語スクール(福岡市博多区博多駅前)
http://hakata-global.com/school/

 福岡市博多区で日本人向けの外国語学校を経営し、接客業者に向けて「外国人旅行客への『接客のツボ』」などのインバウンド対策セミナーなども行う『HAKATA外国語スクール』。校長の住野俊江さんに、福岡はどのくらい国際意識が進んでいると思うかを聞いてみた。「ここ数年の外国人観光客の増加もあり、福岡の国際意識は、以前よりもだいぶ進んだと思います。ただ、広く見ればまだ、日常に外国人がいるという状況に慣れてきたかな、というレベル。異文化理解という点ではまだこれから課題があります」。

 訪日外国人接客のセミナーでよく伝えるのは、「使用済みのトイレットペーパーを流さないことに怒らないで、そのまま流して大丈夫だということを教えてください」ということ。「日本は高度な技術によってトイレットペーパーを水に流しても大丈夫だけど、海外では流してはいけない国が多い。そもそも『常識が違う』のだということを理解し、日本の習慣を伝える必要があります」。

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 こういった、常識の違いによるすれ違いは、ともに働く場面でも現れてくる。ビジネスでトラブルになりやすいのは、時間感覚の違いだ。「14時に面会」といえば日本人は5分前か遅くともオンタイムに面会の場所へいくのが常識。だが、「だいたい14時ごろ」とアバウトにとらえるお国柄も多いため、住野さんは外国人の語学講師を採用する際、「わが社は日本のビジネススタイルで働くことを求めます」ということを必ず伝え、日本人のビジネスマナーや習慣を教えるところから始めるという。授業の際は「日本人はシャイで、分からなくても質問しない人が多い。だから必ずアイコンタクトをして、理解しているかどうかを確かめて」など、外国人には理解しにくい日本人の性質も根気強く伝えていく。「外国人とコミュニケーションをとれない理由には言語があげられがちですが、習慣や価値観、考え方の違いを理解しあう努力を重ねることも重要です」。

外国人と一緒に働くことで、異なる価値観や考え方が新しい可能性を拓く。

img1704_fukuoka7本多機工株式会社(福岡県嘉麻市)
http://www.hondakiko.co.jp/

 自分と異なる価値観や考え方に触れることは、柔軟な発想やブレイクスルーのきっかけにもなる。福岡県嘉麻市に本社を置く産業用ポンプの受注生産メーカー『本多機工株式会社』では11年前から外国人の雇用を行い、社内のグローバル化を始めた。きっかけは人材不足と、国内市場が頭打ちとなる危機感だったと代表の龍造寺健介氏はいう。「当時から商社を通じた製品の海外輸出は行っていましたが、直接アジア市場を開拓しないと会社の将来がないと考え、留学生のリクルートから始めました」。初めに採用したチュニジアからの留学生が優秀で人柄もよく、海外市場開拓に活躍してくれたこと、今後も海外展開を重視する経営方針から、以降も継続して留学生を採用。起業志向があったり、いずれ自国に戻る予定の社員には将来的な独立を支援し、海外で提携するビジネスパートナーになってもらう、という会社の姿勢も、優秀な海外人材の確保に繋がっている。離職のリスクをビジネスチャンスに変えた考え方が外国人の志向や事情にマッチし、好循環を生んでいる例だ。

img1704_fukuoka8「外国人とともに働くということに、社内でも懸念はありましたが、結果としては杞憂でした。合わずに辞める場合もありますがそれは日本人も同じこと。我が社のものづくりの姿勢や理念に共感して入った人は社風にも馴染もうとしてくれる。むしろ彼らにしかできない仕事をしてくれ、他の社員への刺激や社内の活性化に繋がった利点が大きいと思います」。

分かり合う近道は一緒に住んでみること?需要高まる国際交流シェアハウス。

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 関東を中心にユニークなコンセプトシェアハウスを数多く展開する『彩ファクトリー』代表の内野匡裕さんは、2015年、福岡市博多区に「日本にいながら留学体験できる国際交流シェアハウス』をオープン。日本人、外国人ともに早々に入居者が決まり、満室が続いたため、2016年には福岡市西区に2棟目をオープンさせた。日本人入居者には外国人講師の英会話レッスンを週4回開催。住人専用SNSでの会話は全て英語で、毎月国際交流パーティーを開催、という英語漬けの日々を送り、短期間での英語上達や、日常での国際交流が叶う。

 「先に東京でオープンした国際交流シェアハウスの人気が非常に高かった。外国人旅行者が増えるにつれ、接客・サービス業の方の『仕事で英語が必要になった』というニーズが確実に増えていることを感じています。福岡のような、外国人観光客の多い地域はこれからも需要があると見込んでいます」。

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 入居者の世代は20~50代、職業もIT、アパレル、飲食店、士業、大学職員、看護師、経営者など様々だ。「お互いの常識が違うことが必ずあるけれど、その違いや気づきを楽しんでください」と入居前のオリエンテーションでは伝えられるが、入居者のそもそもの目的が国際交流であるため、モチベーションやモラル意識が高く、トラブルはほぼないという。
西区のシェアハウス「Discovery Meinohama South」に入居しているMさん(25歳)の入居のきっかけは、海外旅行に行った際に会話ができず、英語が話せるようになりたいと思ったこと。シェアハウスに興味をもったことやお洒落な内装だったことも後押しした。共同生活上のルールはあるが、異文化だからという縛りは特にない。「インドやネパールの人とご飯を食べるときは牛肉を食べない、ということくらい。言語だけが違っていて後はいろんな性格の人がいる、という感じです。カタコトだけど相手と意思疎通ができたときはうれしい。今はウェブ制作の仕事をしていますが、ここで語学力を磨いて、いずれは海外の人と関わる仕事がしたい」。
国際交流は案ずるより産むが易し。なのかもしれない。

img1704_fukuoka11Discovery Meinohama South(福岡市西区下山門)
https://irodorifactory.com/meinohama/

外国人入居者は、日本語学校や大学の留学生、ワーキングホリデー、日本の企業に勤める会社員、英会話講師など。国籍もアメリカ、ヨーロッパ、中東、アジアとワールドワイドで、日本人の友達をつくりたい、日本語を話す機会にしたいなどの目的で入居している。
居室は個室と2人部屋。ボルダリング、シアタールーム、娯楽室と多彩な共用スペースがある。

外国人に話しかけられると慌てちゃうモジモジ・ドキドキさんへ贈るコラム

外国の人に道を聞かれて、アタフタしたことない?道を聞かれるときの心構えとよく使う基本フレーズをご紹介。

1.どこに行きたいのか、何を知りたいのかを落ち着いて聞きとる。

 ・Speak more slowly, please.(もっとゆっくり話してください)

2.完璧に話そうとしない。

つい正しい英語を言おうと考えてしまうが、単語を並べるだけで分かることも多い。
 ・Go straight(まっすぐ進んでください)
 ・Turn right at the corner.(そこの角を右に曲がってください)
 ・Turn left at the end of the street.(突き当たりを左に曲がってください)
 ・It takes about 5minutes(5分くらいかかります)
 ・It’s on your right / left.(右側/左側にあります)
 ・It’s quite far from here.(ここからは遠いです)
 ・Take a Nishitetsu Tenjin Omuta line.(西鉄天神大牟田線を使ってください)

3.近くなら連れて行く

 ・I’ll take you there, please follow me.(一緒に行きます。ついてきて)

4.最後は笑顔で

 ・Have a nice trip!(よい旅を!)

福岡・北九州の主な観光案内所

福岡のまちや道について聞かれたら、多言語対応をしている観光案内所を教えてあげるのも手だ。
 ・Sorry, I don’t know. But there is a tourist information center near.
  (すみません、わかりません。でも…近くに観光案内所がありますよ)

福岡市観光案内所

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天神
福岡市中央区天神2-1-1ライオン広場内
TEL 092-751-6904


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博多駅総合案内所
福岡市博多区博多駅中央街1-1 JR博多駅構内
TEL 092-431-3003


北九州市総合観光案内所

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北九州市小倉北区 JR小倉駅小倉城口3F(南口)
TEL 093-541-4189

※3施設とも英語・中国語・韓国語対応

国際交流に関する情報や、在住外国人の相談対応

(公益財団法人)福岡県国際交流センター
  福岡市中央区天神1-1-1 アクロス福岡
  TEL 092-725-9204

北九州国際交流協会
  北九州市八幡西区黒崎3-15-3 コムシティ3F
  TEL 093-643-6060

written by 編集部