「協議離婚」ってどうやってするの?

「協議離婚」ってどうやってするの?

前回、離婚には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚があることを、お話しましたね。  今日はそのうち、「協議離婚」についてのお話です。

協議離婚とは、「離婚届」を提出して離婚をすることです。

離婚届は、所定事項の記載、未成年の子どもがいる場合にはその親権者を両親の何れとするかの記載、夫婦それぞれの署名捺印、成人の証人2名の署名捺印などをしたうえで、役所の戸籍係に提出をします。
婚姻時に、入籍をした人は、離婚によってその戸籍を抜けますので、もとの戸籍に戻るのか、あるいは、新しい戸籍を作るのか(その場合は新戸籍をどこにおくのか)などの記載もします。
なお、一つの戸籍には二世代しか記載がされませんので、子どもを連れて離婚をする場合には、新しい戸籍をつくって、そこに子どもの籍も入れるという方が多いように思います。

時々、「離婚届を書いてもらったから、いつでも提出できる」という方がいらっしゃいますが、離婚は、離婚届を提出する時に、「離婚届を提出して、戸籍上の婚姻関係を解消する」という意思があることが必要ですから、お互いに署名捺印をしてから、長く時間がたってからの離婚届の提出は、「その後に気持ちが変わった」、「話が変わった」などといった、トラブルのもとになりかねません。本当に離婚をする気持ちがあって、離婚届を作成できた場合には、きちんと提出をしましょう。

もっとも、離婚の時には、養育費・財産分与・慰謝料・年金分割・面会交流などの取り決めが必要な場合もありますね。
そうした場合は、一般的には、離婚と同時に話し合いをして、合意書を作ったり、公正証書を作成したりしておく方がスムーズです。
もしも話し合いがまとまらなかった時に、離婚前の人は、「夫婦関係解消調停」を申し立てて、これらについてまとめて話し合うことができますが、離婚後の人は、「夫婦関係解消」というくくりがなくなるので、それぞれ一つ一つの協議事項について、家庭裁判所・簡易裁判所ないし地方裁判所などで、調停や裁判などを一つ一つ申し立てる必要があるからです。

離婚だけを先にするのか、全ての話し合いがまとまるまで、離婚を急がないのかは、その人それぞれの事情にあわせて検討をしてみることをお勧めします。

ところで、パートナーが「離婚」と言っているけれど、あなたは離婚をしたくない、ということもありえますね。そういう時には、もし、「勝手に離婚届を提出されたらどうしよう」というご不安があれば、役所の戸籍係に「離婚届の不受理届」を提出しておいて、あなたがこれを取り下げない限り、パートナーが勝手に離婚届を提出できないようにすることも可能です。

答えてくれたのは・・・郷田 真樹 先生

愛媛県出身。愛媛大学法文学部卒業、九州大学大学院法学府修士課程修了(基礎法学)。民間企業勤務を経て、2000年から当事務所に入所。53期。女性の権利に関する問題、医療過誤(患者側)、労働問題(労働者側)、薬害C型肝炎訴訟に主に関わってきた。仕事を通じて、「どんな時でも、どんな人でも、ふたたび歩き始める力がある」という思いを強くしている。最近のお気に入りは、福岡ハカセの『動的平衡』。

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女性協同法律事務所について

「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。