【特集記事】だったら、起業しますか!

img1706_business1

Text : 富田剛史|アヴァンティ取締役
Collage & Photo:リードグラフィックス

「会社に勤めること」だけが働く形ではありません。「起業」は、10年前に比べてすごく現実的な、働き方の選択肢になっています。ただ、ひと口に「起業」といってもいろいろなタイプがあります。
グローバルに、会社を拡張し、大量に人を雇う…タイプの起業でなく今回のアヴァンティの特集では、この街の笑顔を支えてくれる小リスクで現実的な「女性の起業」を考えてみましょう。

「好き」や「得意」をいかす起業で、街をワクワクさせていく女性たち 

 昭和の時代は、大メーカーや金融系がたくさんの支店と人を必要としていました。「支店経済」といわれていた地方都市…しかし、製造拠点の海外移転、新幹線の高速化やLCCの登場、ITと宅配物流の発展などによって「支店」はどんどん減少。ITの発展とともにこの傾向は今後も変わらないでしょう。

 だったら、地域で仕事を生み出せる人を育てるしかない! これが地方都市で盛んに起業が叫ばれるようになった背景です。

 しかも少子高齢化なので、シニアや女性も総活躍〜! と政府は大号令。これまで大企業誘致に目が向くことが多かった自治体や地銀が、試行錯誤しながら地元起業家の育成に必死に取り組んでいます。

 しかし、ひと口で「起業」といっても、男性が考える起業と女性のそれとではだいぶ違います。

 筆者は日本女性起業家支援協会の理事も務めていて、女性起業家の中でも「ママ起業家」といわれる人と日常的に接していますが、彼女らはやりたいことがハッキリしているのが特徴。その多くは、お店をやりたい、○○セミナーや○○教室、○○カウンセリングをしたい、自分が作った何かを売りたい…など、とても着想がリアルなのです。

 男性目線でいうと、そんなの「起業」と呼べないという人もいるかもしれません。でも「そんなことはない!」と声を大にしていいましょう。

 もし素敵なお花屋さんを作るのが「起業」じゃなかったら、いったいどうやって街が素敵になるのでしょう?チェーン店だらけの味気ない街を個性的な街に変えるのは、この街が大好きで好きな仕事を続けていきたいと願う、そんな小さな「起業家」に違いありません。こういう人にこそ、継続的に集客をするノウハウや、効率的に事務を済ませるノウハウを得て欲しいと思います。

「グローバル」も、「雇用創出」も目指さなくたって立派な起業です

 起業家向けのノウハウを提供する場や仲間が集う場は、最近は本当にたくさんあります。中でも行政が盛んに取り組む「スタートアップ」は、もはや流行語のようです。

 しかし、〝起業興味あり女子〟のあなたは次のことは意識しておいてもいいでしょう。

 スタートアップは基本的に「スケールアップ」を前提にした言葉で、そこは「成長分野」で起業する人に向けられた場です。IT、IoT、コンテンツ、バイオ、アジア市場、インバウンド向け…などで、新しい価値を生むサービスを考える起業家。「TwitterやFacebookを生み出したような起業家たち、さぁわが街から出よ!」という大志が素晴らしいですが、くどいようですがそういうものばかりが起業ではありません。あなたが成長分野での起業を目指すのでなければ、何となくかっこいいからとそちらに気持ちが揺れると、自分が小さく感じられるかもしれないのでご注意を。ひとはひとです。

 行政や金融機関、既存の経済界などはどうしてもこれまでの社会の延長で考えますから、大企業の支店の代わりに「雇用創出」や「域内経済」を活性化する新たな存在を期待します。

 でも、あなたはそのために起業をするわけではありませんよね? 自分の好きや得意をいかして、かつリスクを小さく、身の丈にあった起業をしたい…当然です!

 大丈夫、安心してください。地方で働く女性がささやかな起業を考えるには、今ほどやりやすい時代はないのです。ここではその視点で、あなたがチェックすべきことを挙げてみましょう。

written by 編集部