小さな一歩が未来をつくる ~Vol.9~  派遣社員という働き方

割り切って働く力

出産後、4年間の専業主婦を経て、2社のパートを経験した後
フルタイムの派遣社員として働くのは初めての経験。

3ヶ月毎の契約更新を続けて約1年が経過し日々の仕事も生活も慣れてきたころ。
同部署の外回りの営業担当の方が妊娠され内勤への異動願いがあって
IPデスク業務旅行から旅行業務に変わってもらえないかという依頼がありました。

私も過去に妊娠出産で仕事を退職し後悔したことを思い出しました。
せっかく慣れてきた仕事、自信も付いてきて、顧客先の企業担当者の方とも
良好な関係が築けていたので、内心は譲りたくないなという気持ちがありながらも
子育てしながら働き続けることの大変さを痛感し同じ働く女性として
応援したいという気持ちもありました。

悩んだ末に、異動の提案を承諾しました。
出産後も育児休業を取得し、この先も子育てしながらずっと働き続けて
ほしいと思ったからです。

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旅行業務に異動してからは、旅行は大好きだったので
新しい業務を覚えることは、とても楽しい時間でした。
ただ、一つだけ難題がありました。「残業」です。
仕事を覚えながら6時の定時に仕事を終わらせるのに必死でした。
終わらなかった業務は、引継ぎをして帰らなければならない日もありました。

残業している社員さんたちの足手まといになっているのではないか。。
後ろ髪をひかれる思いで「お先に失礼します」と申し訳ない気持ちで帰ってました。
航空業界に戻りたくて、派遣という働き方であったとしても
やっと手に入れたこの仕事を手放したくなかった。
多少、大変なことがあっても、しがみついていたいほどの気持ちでした。

旅行業務にもだいぶ慣れてきて、業務に貢献できている感覚も出てきて
これからもっと極めていきたいと希望を抱き始め、異動後半年近くが経過したころ
派遣元の担当者から、一緒にランチをしませんか?と食事の誘いがありました。
いつも明るく元気な担当の方だったのですが、
その日は、なんだかいつもと違う悲しそうな表情でした。
「どうしたんですか?」と聞くと
「ものすごく言い難いことを伝えなければなりません。
会社の都合で、次の更新はしないことになりました」
と宣告されたのです。
全く想像していなかった突然の言葉。。
ものすごくショックでした。

どうして、更新していただけないかとお尋ねしても
会社の都合なので私も理由はわかりませんと言われました。
この納得いかない事実に反論することができない弱い立場の自分が悔しくて悔しくて
帰りの電車のホームでボーッとしてしまうほど、良からぬことを一瞬考えそうになっていました。

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約1ヶ月後には契約終了という事実がありながらも
契約最後の日まで出勤しなけばなりません。
どんなにあがいても事実は変えられないと担当者に告げられていたので
最後まで、笑顔で何もなかったかのように振舞おうと思いました。
プライドなんて捨てて明日からもう行きませんということもできたかもしれません。
でも、平然を装いいつものように出勤することが、私の最後のプライドでした。
存在を示したかったことと、一緒に仕事できてよかったなというシーンを
できるだけたくさん作りたいなと思いました。

そして、同部署の方が送別会を開いてくれることになりました。
社員さんで退職する方がいらっしゃったこともあり一緒にということでした。
内心は悔しくて納得いかなくて、すっと折れそうな気持ちが心の奥にあって
行くかどうか正直迷いました。
しかしながら、”立つ鳥跡を濁さず”というコトワザもあるように
笑顔で感謝の気持ちを伝えて、最後の日を終えようと決めていました。

送別会当日、黄色いアルバムをプレゼントにいただきました。
中を開けてみると、部署内の方々の一人ひとりの写真、
お別れの言葉を自筆で書いてくださっていて
それを観たとき、蓋をしていた心の奥の悲しい気持ちが溢れ出し
嗚咽するくらいに号泣してしましました。
アルバムの中に、たくさんの感謝の言葉が綴られていたのです。
見てくれていた人は、ちゃんと仕事ぶりを認めてくださっていたんだと
少しだけ心の傷が癒えた瞬間でした。頑張ってきてよかったと思えた瞬間でした。

辛い経験から気づくことができた家族の大切さ

更新をしないと告げられた日、あまりのショックで何もできずに
家に帰ってから部屋に閉じこもってしまいした。
自分を否定されたような気持になり、いなくなりたいとさえも思いました。
食事も喉を通らない状況で悔しさで涙が枯れるくらい泣いて
本当に起き上がれないくらいでした。

その間、部屋から出てこれない私を黙って見守ってくれたのは夫でした。
本当に消沈しきっていた私をそっとしてくれていました。
二日間、部屋に閉じこもっていろんなことを考えました。
子育て中だって、ちゃんと仕事はできるのに、ただ、残業ができないだけなのに。。
このまま社会の現実に負けたくないと。このままじゃ終われないと。
逆に悔しさの方が込み上げてきて、こんなことで落ち込んでなんていられない
子どもたちのためにもしっかり未来を見なくては!と気持ちを奮い起こしました。

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夫は、何も手に就かない私の落ち込みようを見て、子どもたちと一緒にいてくれて
ご飯を作ってくれたり買い物に行ってくれたり、確かカレーも作ってくれたような。。
そのとき思ったのです。
これまで、離婚したいとか子ども達を連れて家を出たいとか
なんども思ったこともあったけど、ここには私の安心できる場所がある。
夫のいいところを見ようとしていなかった。
無い物ねだりでいつも悪いところしか見ていなかった・・・。
この辛い経験したことによって、安心できる家があって、家族がいて
支えてくれる人がそばにいるということだけで幸せだということ
目の前にすぐそばにある日常の幸せに気付いたのです。

残業がない働き方として選んだ派遣社員。
契約更新ができなくなったとしても、自分を責めずに
会社の都合で更新できなくなった単なる事実だと「割り切る力」が
必要なのかもしれません。
そこで何を学んだか。
正社員の方々と良好な人間関係を作っていくこともとても重要なことです。
派遣社員であっても壁を作らずに自分から積極的にコミュニケーションをとって
見方をたくさんつけておく必要性も感じます。
正社員になることを将来考えているのなら、紹介予定派遣を選んで
自分のアピールを戦略的に行うという賢い働き方も必要なのです。

退職後は、失業保険をいただきながら、就職活動を再開。
もう、派遣社員はこりごり。。。
正社員として働けるところを探そう!
と心に決めて動きはじめました。

ところがところが。。。
小さな子どもがいながらにして正社員に応募するということは
もっともっと予想していなかった現実が待ち受けていたのです。

★Tomo’s photo ★
今年のゴールデンウィークに夫婦で遠出のドライブ旅行に行きました。
姫路まで車で約7時間。夜に出て2泊3日。
姫路城、宮島厳島神社、広島原爆ドームと世界遺産巡り。
すごく遠かったけど、退屈ではなく
不思議といい時間が流れていきました。
車の中って向き合わずに二人とも前を向いて話す空間がいいんですよね。
目的地に向かって、いろんなことを話しながらどこに行こうかと
決めていく過程も。人生もそんな風に同じ方向を向いて
夫婦で進んでいけらいいなと思います。
次は、どこに遠出をしようかと計画中。

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前回までのコラムはこちらから↓
専業主婦からのRestart  小さな一歩が未来をつくる