[続・オトナの性教育] スペシャル対談・オンナとオトコは永遠にすれ違うのか?(その1)

[STEP3] 互いを深める

オンナとオトコは永遠にすれ違うのか?
違いを知るほどに、「女と男は、永遠に分かり合えない生き物なの…?」と思ってしまう。そこで、性問題に詳しい論客2人に、その答えを求めて語り合ってもらいました。


1602_sp_23ふじみん こと 藤見 里紗さん
女性からアクションをおこす方が、性のすれ違い解消はスムーズ。

“日本一性教育が盛んな高校”の元体育教諭。“人間と性”教育研究協議会元幹事。九州初の「NPO法人マドレボニータ」認定・産後セルフケアインストラクターとして、産後カップルのセックスレス問題にも詳しい。「大人の性教育講座」「子どものへの性の伝え方講座」などのテーマで福岡県内の小学校等でも講演活動を行い、大人や親が性を大切にできる知識を啓蒙。


1602_sp_25坂爪 真吾さん
男は、性を語るのがとても苦手。言いたくないけど、悩んでいます。

「一般社団法人ホワイトハンズ」代表理事。新しい「性の公共」をつくる、という理念の下、重度身体障がい者に対する射精介助サービス、性風俗産業の社会化を目指す「セックスワーク・サミット」の開催など、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組む。2014年「公益財団法人社会貢献支援財団」社会貢献者表彰。著書に「男子の貞操」他、不倫をはじめて社会問題として捉えた「はじめての不倫学」も話題に。

セックスとは、男=毎日の白ご飯、女=ハレの日の豪華フルコース!?

編集部 坂爪さんの著書「男子の貞操」を読んで、性やセックスに対して男性と女性ではこんなに感覚が違うのか!? と驚愕しました。そもそも男性はセックスをどう捉えていますか?

坂爪 男性はセックスを「型」にはめて考えがちですね。男子は大体12~13歳頃に精通を迎えて、体が性的に成熟します。一方で男子の平均初交年齢は20歳前後。7~10年もの間、多くの男子はアダルトメディアを通じてマスターベーションすることが習慣化します。実際に生身の女性とつき合う時には、アダルトビデオでみたセックスが固定観念としてインストールされている状態。だからAV通りのやり方で「挿入しさえすれば、彼女は超気持ちよくなってすぐに絶頂に達するはず」と思って初体験に臨む人も少なくありません。

藤見 AV通りのやり方は女性からすれば、正直とてもハードですね。女性はどちらかというと〝きれいなセックス〟のイメージを抱きがち。少女マンガや女性向け映画で多いのは、愛を深めた二人がいよいよクライマックスにセックスで結ばれる…というシーン。キレイなベッドの上で、キレイに脱がされて抱き合って…というのが多い。だから、女性にとってセックスって非日常だし、セックスには「クライマックス感」や「ラグジュアリー感」があってほしい。それを私は「ハレの日に、高級レストランでフルコース食べる感じ」って表現するのですが、そう思っている女性は多いと思います。

坂爪さんは、男性にとっては〝射精〟がとても重要だとも解説されていて、そんなに大切なことなのか! と目からウロコでした。

坂爪 男性は射精ができないと、自尊心の低下や精神的ストレスの増大にもつながるほどで、疲れたりストレスが強いときほど射精したいと思う傾向も強いです。男性にとって射精って、それくらい大切な生活習慣の一つ。だから射精と切っても切り離せないセックスも〝日常〟的に必要で、睡眠や食事と同じように、毎日ほしいものという感じです。

藤見 男性にとってセックスは「白ご飯」的な位置づけなのかも?

 

本当に大切なのは、理解することじゃなく違いを認めること

セックスで悩む女性は意外に多い、と前回の特集記事の反響からもとても感じました。セックスで男女がすれ違う原因は何だと思いますか?

藤見 私は、性教育の現場でよく学生に「そんな簡単に気持ちいいセックスができると思うな!」って伝えるんですが、セックスですぐ気持ちよくなれるって思い込みが一因じゃないでしょうか。

坂爪 リアルな普通のセックスを知る機会がないのは、男性も女性も同じですね。お互いがそれぞれ勝手な〝幻想〟を抱いていることが、こんなにもすれ違いが起こる原因かもしれません。

そのすれ違いはどうすれば解決するでしょうか?

藤見 お互いがこんなにも違うんだって、まずは知ることが二人が向き合う最初の一歩かもしれません。特に女性は、学校でも月経教育を受けるので「性は学ぶもの」という意識が強いですし、性のことで悩んでいるならアクションを起こそうって思うことが多いです。だから、まずは女性自身が「こんなことで悩むなんて…」と戸惑わずに、悩む気持ちを自分で認めてあげてほしい。その上でパートナーに「これは私にはとても大切なことだから、諦めずにきちんと話し合いたい」と伝えてみてください。

坂爪 その伝え方はいいですね。男性の心理としては、自分のセックスのやり方に口出しされると「男のプライド」が壊れてしまう、というか、どうしても守りに入ってしまいます。そもそも男性は〝性を語るべきではない〟という感覚もとても強いです。でも、パートナーを理解したい、関係をよくしたいという気持ちはあります。「とても大切だ」って切り出されたら、話を聞く姿勢にはなれると思います。

藤見 お互いのことが「理解」はできなくても、「相手はそう思っているんだな」と受け止めて「承認」することから。男女のすれ違い解消は、女性が主導権を握っていますよ!

written by 編集部