<おなかの傷>

ICUから病室に戻り、同部屋のおばちゃん達に 「おかえり!」 って迎えられた
なんだか嬉しかった

でも、病室には戻ったけど とにかく疲れていて
身体もとてもだるくて ただベッドでおとなしく寝ていた

私の右肩には小さいペットボトルみたいなものが
不安定にゴロンゴロンしていて・・・??
切ったおなかが痛くないように 背中に入れられた細いチューブに繋がっている麻酔らしい
お陰で切ったところは じーっとしている時は あまり痛くなかった

でも、なんだか外側の皮膚より 内側の方がキューっと絞まった感じがして
おなかの中がつっぱっていた
先生に聞いてみたら 「腹膜はしっかり縫っているからね」 とのこと なるほど

思った程痛くないとはいえ 咳・くしゃみなんかとてもできたもんじゃない
”術後の咳などの仕方” という紙をもらっていたので
喉が “イガイガ” して どうしても 咳が我慢できないときは
両手でおなかの右と左を中心に向けて押さえて
傷が開かないように 「へふぉっ へふぉっ」 って力を抜いた情けな~い咳をした
くしゃみは鼻をつまんで、絶対に阻止した
痛さを想像しただけで「絶対くしゃみ出来ない!」って思ったから

手術はできなかったとはいえ おなかを切った証拠はしっかり残っている
それを 見たいような 見たくないような 怖いような ・・・
パジャマの首元から そーっとのぞいてみた

「わっ!うそっ!!マジで!!!」

みぞおちからおへその下まで 銀色のホッチキスの大きな針がびっしり続いていた
・・・ こんなに ・・・ それに糸じゃないんだ・・・
その針はおなかのお肉をしっかり噛んでいて 超グロテスク
ホッチキスの方が傷跡がきれいらしい が その姿からはとても信じ難かった

だって醜すぎる
まるでおなかの真ん中を占領する銀色の大きなムカデみたいで
「あ~ぁ もう ビキニは着れないなぁ・・・」なんて
今まで一度も着たことないのに ―――
ほんの少しだけど ションボリ した

これから色んな意味であきらめること増えるのかな ・・・・・・・・
命の事考えたら ――― そんな事 どうでもいいことなのに・・・。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

傷口がつきにくい私は
抜糸まで2週間ぐらいそのムカデと付き合うことになった
☆いっこ☆

written by 編集部