<闘いの証>

強烈な副作用の時は お風呂に入る元気もなく
身体は蒸しタオルで拭いて 髪は洗ってもらったり・・・
とにかくお風呂どころじゃなかった

ようやく 自分でお風呂に入る気力が出てきた

個室にはユニットバスはあるけど
共同の大きいお風呂を使わせてもらう事にした
どっちにしても湯船に入るわけではないけど
共同の方が広々しているから―――

そこで初めて見た 私の全身
なんともペターと薄っぺらな身体に 真ん中にしっかり縦の傷

痩せた身体と お腹の醜い大きな傷も
闘いの証!!  なんて強がりは言わないけど
その身体は まさに現実そのもの

お腹の真ん中を走っていた 例の銀色のムカデを
リムーバーというもので 抜糸されてから
初めて入ったお風呂

それまでは パジャマの隙間から見ていた 断片的な傷が
全貌を現した

ショックじゃないと言えばうそになるけど
最初見たときより 「こんなもんか・・・」 と割と冷静だった

受け入れるしか選択肢がないものには ジタバタしないで
自分で自分の心を前に向かせるようにした
そうすることで 心が大きく動じなくなってきたようだ

おなかの傷の周りから こわごわシャワーをかけてみる・・・
なんだかドキドキした

優しく優しく 傷をよけながら 身体を洗い 頭を洗い
苦しんだいろんな事も 一緒に洗えたのか?
かなりヘトヘトにはなったけど さっぱりした

抗がん剤治療ワンクール終了間近
第一ラウンドを乗り切った・・・という実感が ほんのちょっと湧いた

――― 私の限界はまだまだだ ―――
間違いなく 心は右肩上がりになってきた
☆いっこ☆

written by 編集部