離婚の際に、マンションローンの赤字の半分を支払う必要はありますか?

夫と離婚することになりました。財産は自宅マンションだけですが、ローンの残額がマンションの価値より1000万円くらい高く、売っても赤字になります。夫は離婚後もマンションに住み続ける予定ですが、私に赤字の半分を払えと言います。払わないといけないのでしょうか。

山崎 あづさ 先生
広島県廿日市高校、九州大学法学部卒。54期。2001年10月から当事務所に入所。毎年5月に憲法劇を上演する「ひまわり一座」の(自称)看板女優。
好きな食べ物はおにぎりとプリン。趣味は、温泉巡り、特技はタバコの煙を探知すること。

 

財産分与では、必ずしも負債の半分を他方が支払わなければならないわけではありません。まずは弁護士へ相談することをおすすめします。

 この場合の夫の言い分は、離婚時の財産分与として半分にする、という発想から来たものと考えられます。
 離婚する際、夫婦が結婚生活の中で築き上げた財産を清算することができ、これを財産分与といいます。財産分与がいくらになるかは、結婚後に二人で協力して取得した不動産、預貯金、保険などの資産の値段を全て合計した上で、住宅ローンなど結婚生活の中で生じた負債があれば差し引き、残った額の2分の1をそれぞれの取得額とする、というのが一般的な考え方ではあります。
 ただし、資産よりも負債の額が大きく、全部を合計するとマイナスになってしまう場合に、残った負債の半分を他方が支払わなければならないかというと、そうではありません。財産分与は、単なる計算上の問題ではなく、それぞれの経済状況や、離婚に至る経緯、対象となる財産の性質など、さまざまな事情を考慮して総合的に判断されます。離婚後も夫が住み続ける場合には、ローンの支払いは夫の資産形成のためということになり、夫の責任となる場合が多いようです。
 財産分与は、財産の種類によっては複雑な問題を含む場合もありますし、個々の事案によっていろいろな解決の仕方がありますので、是非一度、弁護士に相談してみることをおすすめします。

女性協同法律事務所
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「女性による女性のための法律事務所・女性の権利のための法律センター」を目標に、1989年に事務所を設立。現在では11名の女性弁護士が在籍している。相談者は圧倒的に女性。離婚事件が多く、相続などを含めると約6割が家事事件。つづいて破産・負債整理、セクシュアル・ハラスメントを含む労働事件、少年事件・刑事事件、性暴力や医療過誤、交通事故や学校事故などの損害賠償請求事件、通常の契約をめぐる事件など。法人のメリットをいかし、長期間にわたって「お一人様の老後」の世話をする成年後見の業務にも携わる。