
題名から気になりますよね。
福岡で公開されて1週間が経とうとしていますが、みなさんご覧になりましたか?
子どもをなくして心のバランスを少しずつ崩して、うつになる妻。
その妻を見捨てず、静かにそばにいて、愛おしそうに接する夫。
がっつり向き合ってお互いの嫌なところまでを見るほどの深い付き合いをしたくない男女や結婚しても向き合えずに別れてしまう夫婦が山ほどいる中で、「何があっても離れない夫婦」が今の世の中に一体どのくらいいるんだろう。
感想が男女で分かれる気がします。
リリーさんのあの情深い感じ(と勝手に想像)がぐっとくる私ですが、
これを見るとさらにファン度上がりました。
女子のリリーファンが増殖しそうな予感です。
公開直前の6月11日、
橋口監督とリリー・フランキーさんが来福(リリーさんは帰福?)されて、
合同記者会見がありましたので、そのご報告を。
―全作「ハッシュ!」から6年経っていますが、「ぐるりのこと。」の台本は長い時間をかけて書かれたのでしょうか?
橋口監督:「ハッシュ!」の後から、 “法廷画家”“夫婦のはなし”を撮りたいという構想はずっとありました。
―法廷画家にこだわった理由は?
橋口監督:編集をしながら気づいたんですが、「二十才の微熱」とこの「ぐるりのこと。」の構想はよく似ているのですが、僕は物事をじっと観察しているという視点が好きみたいですね。それで、全く映画的じゃないけれど法廷画家にこだわっていたように思います。被告のうなじがきれいだったとか、人間そのもののディテールを語るという視点がおもしろい。
―リリーさんは、実際に法廷画家を演じられて難しかったところは?
リリー:独特ですよね。法廷画家って描きたいものを描いてるわけじゃないし。色んなものを見てきた落ち着きがあって、付け焼刃じゃできないなあと。
カナオは、家に帰って「今日法廷でこんなことあったよ」なんて話すこともない。だから最初、“翔子(妻)といる自分”と“法廷にいる自分”を結びつけるのに時間がかかりましたね。
―監督から見て、役者としてのリリーさんはどうでしたか?
橋口監督:最初は本当に大丈夫かなあ(笑)と思っていましたが。1週間リハをして「大丈夫だ」と思いました。よく質問で「あの会話ってアドリブですか?」って聞かれるんですが、アドリブなわけないでしょ(笑)。映画を撮るってものすごく不自然なこと、人が書いた脚本に基づいて、大勢の人が居る前で演技をするわけですから。そこで自然に見せる、アドリブに見せるっていうのがすごい。リリーさんは、表現者として非凡なものを持っていると思います。才能としかいいようがない。木村多江さんの方がキャリアがある分、いろいろ考えられているようで「(リリーさんのように)あんな風にできない」と言われていました。ていうか本気で怒ってましたもんね。「虐待児の絵を書いてこい」と言われてカナオが怒って反発するシーンがあるんですが、リリーさんは本気で怒ってました。“演技”というのではなく、そんなひどいことを言う奴に人としてマジで向き合ってる。人間的にリリーさんに感動しましたね。そんな風にカナオでいてくれたから、受けの芝居なのにもかかわらず存在感があるんでしょう。
―リリーさんは、出演しようと思われた決め手はなんだったのでしょうか?
リリー:橋口監督がどうやって映画を撮ってるか見たかったのが半分以上ですかね。実際に撮影が始まると、その胸をすくような仕事にウットリでした。丁寧に妥協せずにやる。おざなりになりそうなところもとことんこだわってやるというのを目の当たりにして、自分がサボってるところを改めて反省したりしましたね。
(文 田中 美佳)


















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