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2001年、福岡女学院大学では人文学部に、「表現学科」という新しい学科が誕生した。専門的に学問としての演劇が学べる全国でもめずらしい学科だ。
今月は、そこで演劇を教え、自らも舞台にたつ岩井眞實教授を訪ねた。
もともと岩井先生は歌舞伎研究がご専門。福岡着任をきっかけに、国内外の演劇を教えたり、学生たちと芝居を始めるようになった。98年にはロンドンの大学で1年間比較演劇を研究し、台本を読み演劇を観ること80本。以来、福岡で演劇をする人たちと一緒に芝居をプロデュースしたり、役者をすることが増えてきた。
「自分を生きる」ことができない若者たち
「俳優になりたい」
「歌手になりたい」
将来の夢を聞くと、こんなとてつもない夢をフツーに語る若者によく出会う。フリーターをしながら演劇や演奏活動をする人たちが特別な存在でなく、ゴロゴロいる。
「『自分を生きる』ことができない人が多いですね。表現したい欲求はものすごくある。それが、歌って踊って、自分じゃないものになりすます欲求でしかないんです。自分を表現することによって、自分の中身が変わっていくことって、わりとあるんですよ。内容なんていらないから、ちょっと思ったことを、きちんと表現すると、内容がついてくるんです」。
そんな訓練ができるのが演劇だ。
授業でも、ワークショップでは、体を動かし身体表現をするなかで、心を開き、自分を表現する方法を学んでいく。鬼ごっこのようなことや、ゲームを多く取り入れて、身体を動かし、声を出す。
演劇で社員研修に実績
演劇の手法で最近、社員研修として注目を浴びているものがあるという。マイクロソフトやスターバックスで取り入れているのが「インプロゲーム」。インプロとは、インプロビゼーションの略で即興という意味。
例えば、「社長、大変です。ライバルのX社が、プリンターを全て半額に値下げしました!」に対して、「なんてことだ」で応えるんじゃなく、「それはちょうどいい。X社のプリンターにも使えるインクカートリッジを売り出そう」と応える。頭の中を休ませないで動かし、瞬間的に発想し表現する。しかもプラス志向で。アイデアは、まず表現してみること。発想力や企画力は、どれだけの多くの表現をしたかに関わっているという不思議な現象に気づく。発想を鍛える練習だ。
また、台本を読んで実際演じてみると、人それぞれいろんな解釈をする。やり方がこんなにたくさんあることがわかる。自分の身体ってこうなっていたのか、自分の声ってこんな声だったのか、いかに自分は人の目を見ないで話していたのか、いろんな自分に気づく。演じることで自分の埋もれていた部分が表出する。今月のゼミは、演じる体験を通して自分発見できるワークショップ。お楽しみに。
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