
私が27歳の頃 [福岡]
アヴァンティでは「27歳」を人生のひとつのターニングポイントと捉えています。社会人になって数年、自分の人生はこれでいいのか、もっと他の道がないのかと模索の真っ最中。この頃、悩んだり、一生懸命何かをしたことが、その後の人生につながっていると仮定して、福岡で活躍する女性たちに「私が27歳の頃」をテーマにインタビューしています。 |
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今村友香さん / 苦手な人にも親しんでもらえる、おいしいお酒をつくりたい。
自らも、現場でお酒造りに携わる今村さん。穏やかで親しみやすい女性だ。
今村友香さん
1977年、大川市出身。若波酒造合名会社三代目の次女。杜氏として酒を造る一方、企画開発から販売までも手掛ける。同志社女子大学卒業後、京都の南座でアルバイトをしながら松竹への就職を目指すも、家業を手伝うため23歳の時に帰福を決意。東京・広島にある酒類総合研究所で、日本酒の製造・素材の配合などについて研究生活を送り、27歳より杜氏として酒造りを始める。ラベル案なども自身で手掛けたリキュール「あまおう」と「ぱるふぇ」は、いずれも売切れ続出のヒット商品となった。
「おじいちゃんたちの時代はお酒は売らなくても売れていましたが、今はそうじゃない。厳しい時代だからこそ、どんなお酒を造り、どういう場所でありたいかという“蔵柄”が大事なんです」という今村友香さん。大川市にある若波酒造三代目の次女として生まれ育ち、杜氏として、若波酒造を“地元に根づいた場所”にしたいと商品開発からラベルデザイン、販売と日々奔走している。今ではすっかり若波酒造の杜氏が板についている彼女だが、8年前までまさか自分が杜氏になろうとは、思ってもいなかった。
あきらめた夢、新しい夢
京都の大学を卒業し、アルバイトをしながらそのまま京都で就職予定だった今村さんに、ある日電話があった。「父さんが体調を崩し、人手が足りないから家業を手伝ってほしい」。このままここで働きたいという思いはあったが、“今は家が大変な時”と帰福する覚悟を決めた。酒造会社を営む家に生まれたとはいえ、それを実感するのは祖父や父が食事の時に利き酒しているのを見た時ぐらい。酒蔵はもちろん、お酒のことも分からないことだらけだ。そのため、最初の一年間は事務作業とタンクの温度測定などをしながら、代々受け継がれてきた家業を知っていった。そんな中「お米が日々変化していくのを見るのが楽しくなってきたんです。水を吸っている時はおかゆみたいにサラサラ。完全に吸収したらフワフワに膨らんで、発酵を始めたらぷくぷくと泡が出る」と酒造りに興味を抱くようになり、酒類総合研究所で本格的に学ぶため、地元を離れ東京、そして広島へと向かった。
周りの人たちに支えられて
研究所生活を終え、大川へと戻ってきたのは27歳の時。蔵人たちに熱意を認められ、若波酒造の杜氏として歩み始めた彼女だが、最初は不安でいっぱいだった。「周りに女性はいないし、他の蔵の杜氏さんたちは長い経験を積んだ人ばかり。“何か言われるかも”と怖くて、講習会でドアの前まで来たのに勇気が出ず、引き返したこともありました」。だが逆に、周りの杜氏たちは自分の蔵にまで今村さんを招いて、お酒造りのあらゆる知識を教えてくれた。「自分に自信があるからこそ、人に隠さず言える。改めて、杜氏さんたちのすごさを感じました」と当時を振り返る。
生産者の想いをのせて
苺の王様“あまおう”を使ったお酒を造りたいと思った彼女。しかし、苺のリキュールは苺そのものの保存が難しく、変色しやすいため市場にあまり出回っていなかった。「相談した研究者の人にもやめたほうがいいと言われました。でも、どうしても造りたくて…」。彼女の気持ちは変わらなかった。試行錯誤の末やっと、無添加にこだわったお酒「あまおう」が完成。地元の名産果物のお酒とあってお土産に買う人が後を絶たず、発売して1年と経たないうちに、用意していた1000本が大川市内だけで売り切れとなった。2年目は10倍の1万本を用意して県内各地で販売、3年目にはさらに10倍の10万本を全国へ出荷したが、残らず売り切れとなってしまった。「最近は、女性たちが気軽にお酒を楽しむようになったとはいっても、日本酒や焼酎にはまだまだ苦手意識を持っている人も多いです。そんな人たちにも、色んなお酒を飲んだ後で“私はこのお酒”という選択をしてもらえるようにしたいんです。そのためにはまず、気軽に親しんでもらえる入口を提案していきたい」。その想いが苺リキュール「あまおう」、日本酒をベースにしたカシスリキュール「ぱるふぇ」を生み、“新しいお酒づくり”に挑戦する彼女の源となっている。

2.2007年12月に発売された「ぱるふぇ」(右から1番目と2番目)。日本酒をベースにしたカシス梅酒で、ロックで飲むのがオススメ。鼻からぬけるようなカシスの風味とほどよい甘みがあり、女性にも飲みやすい。販売からわずか10日間で楽天ランキング2位に上った人気商品。もちろん発案者は今村さん。3.研究生時代、先生との一枚。
2008年04月29日 15:02 | TrackBack




