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B級(?)素材の発掘。
「日本だってね、金に物を言わせているうちはいいけど、貧乏になったらすぐに食糧難ですよ」
温和な顔でさらりと辛辣な今回の先生は福岡教育大学、家政科の堀康二教授。ご専門は食品学だ。留学生から東南アジア諸国の厳しい食糧危機状況を聞き、食品学の見地から東南アジアの食品を研究して日本に取り入れる等の活動を行っている。が、そのスタンスが面白い。ご本人の研究対象は「普通の人はあまり見向きもしないようなもの」。だが、意外にそれが優秀な食品だったりするのだ。
「どこにでも生えている藻で、俗名”イシクラゲ“というのがあるんですが」。…なるほど、食べられそうだが今まで食べようと思わなかった藍藻の一つである。この「イシクラゲ」は甘木名産で、高級珍味として知られる藻「川茸」と生物学上似ており、含まれる栄養素もほぼ同じ。たんぱく質と食物繊維が豊富で繊維が水に溶けるため、ゴボウなどよりも優れものなのだ。「酢醤油で食べればウマイ上に、便秘薬なんか買わずに済みます」。ここまでで終わりかと思いきや、先生にはまだ先のビジョンがあった。「今穀物を食べている牛や豚に、このイシクラゲを食べさせます。その代わり、今食べさせている穀類を食糧難の土地へ送れば…」これだけでも相当な支援になるらしいのだ。
ヤギが食糧不足を救う理由。
もう一つ、最近の先生には大きな研究テーマがある。それがヤギだ。「子供をたくさん産むし、生命力が強い。ミルクが取れるし、肉にも脂肪分が少ないから成人病の予防にもなります」。たしかに現代病といわれるアレルギー疾患や成人病の影には、脂肪の取りすぎ、栄養過多の要因があることはだんだんと分かってきている。でもヤギのミルクはクセが強そう…。「ヤギミルクはクセが強いと言われますが、牛乳と飲み比べても味、匂いはさほど変わらない試験結果が出ているんですよ。後味にだけ差がありますが、それでもまずいという結果にまでは至りませんでした」とのこと。
さらにヤギの生命力ときたらどんな土地にも適応でき、一つの島の植物を根こそぎ食い荒らし、荒廃させてしまう兵器(?)に使われた程のタフさだという。恐るべし、ヤギ。「日本も沖縄などにはヤギの料理が残っていますが、レシピも少ないし正直クセがあって一般受けしない。これもヤギが嫌われる残念な理由の一つですね。東南アジアのヤギの焼肉(サテ)やヤギ汁は、臭みが無くてとてもおいしいのに。ぜひエスニック料理などで食べてほしい」と先生はヤギの食べやすさを主張。未来の食糧危機改善のキーワードとしてこれからも研究を続けるという。
異文化との交流はいつでも食べ物から。
「海外旅行をするなら、すすんで現地の食物を食べ、食文化に触れてください。それが異文化への理解、協力の気持ちになります」。例えば一時期外米がおいしくないとのバッシングが、あった。だが調理法によっては国産米に引けを取らないし、日本人の口にはあまり合わなくても欧米では2、3倍の高値で売れる香り米もある、ということを私達はまず知ったほうがいいかもしれない。簡単に拒絶せず、まず受け入れてみることが大事。そうでないと来るべき食糧難の時代、その時あなたは今の食生活を簡単にやめられる?
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堀 康二 先生
福岡教育大学家政科 教授
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| 岡山県出身。九州大学大学院農学研究科修士課程修了。未来の家庭科教師を育成する、家政科の食品学担当。孫2人には見えない若さだが、淡々とした語り口に聞き入っていると、スキを見てダジャレが飛んでくるので、油断できない。
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第83回アヴァンティゼミ
2000年11月29日(水)
講 師
福岡教育大学家政科
教授 堀 康二 先生
テーマ
雑学「B級グルメ」講座
参加費 2,000円
(クラブ会員1,500円)
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