“国際化”。海外で活躍する日本人や在日する外国人なども増え、他国の文化に触れることが当たり前のようにさえ感じられる今日。でも、自国の文化は案外知らずに過ごしている人も多いのでは? 今月のテーマは“歌舞伎”。優美な和の世界を覗き見るべく、近世文学を専門とする橘教授の研究室を訪問した。

生まれたとき、歌舞伎は大衆文化だった!?


 世界に類を見ない艶やかな女形に、きらびやかな衣装。日常とはかけ離れた絢爛豪華な“歌舞伎”は、映画や演劇に比べて、敷居の高い娯楽という感じがする。歌舞伎が生まれた頃もまた、位の高い人たちが見ていたんだろう・・・と思っていたら、「歌舞伎はとても大衆的な娯楽だったんですよ。しかも低俗なね」。橘先生からは意外な答えが返ってきた。現在歌舞伎は男性だけで演じられているが、生み出したのは実は女性。約400年前に出雲阿国という巫女が、徳川家康の前で『かぶき踊り』を披露したのがはじまりだ。やがて、京遊女たちが真似て踊るようになり、『遊女歌舞伎』が生まれる。確立された当時、驚く事に歌舞伎は風俗だったのだ。風紀の乱れに、幕府によって禁止されたほど。その後、幕府の“写実的なドラマを演じる”という条件のもとに再開されたのが、成人男子のみで演じる「野郎歌舞伎」。これが演劇として確立を図り、現代の歌舞伎へと成長を遂げることとなる。

まずはイヤホンガイドから。
初心者向け歌舞伎講座


 さて、現在。「“食わず嫌い”な人が多いのは残念なこと。内容がわかればとても面白いんですよ」と先生。確かに、歌舞伎の持つ独特なリズムと古語ゼリフには、取り付き難さを感じる人もいるかもしれない。が、最近ではアクションを絡めてセリフをわかりやすくした“スーパー歌舞伎”も登場。若い役者らは新しい試みに積極的で、柔軟に歌舞伎を発展させてきている。また、劇場で借りられるイヤホンガイドでは、言葉の意味や決まりごとをタイムリーに解説してくれるから初心者でも十分たのしめるのだ。21世紀のはじまりに、日本の伝統文化に触れてみるのもおもしろい。


筑紫女学園大学 文学部
教授 橘 英哲 先生


九州大学卒。近世文学(人形浄瑠璃、歌舞伎、能)を専門とし、主に、近松門左衛門と人形浄瑠璃を研究テーマとしている橘教授。福博を中心に古典演劇を広める活動を行っている。


第85回アヴァンティゼミ
2001年1月23日(火)

講 師
筑紫女学園大学文学部
教授 橘 英哲 先生

テーマ
であえ!歌舞伎でござる

参加費
2,000円
(クラブ会員1
,500円)




BackNumber
2000.12
文化の紐解きしてみよう!
中西 祐ニ 先生
2000.11
B級(?)グルメのススメ
堀 康二 先生
2000.10
目からうろこが落ちる、
ジェンダー批評。

狩野 啓子
「B級グルメ(?)のススメ」
 

福岡教育大学家政科
教授 堀 康二先生
  専門である食品学の立場から東南アジアへのアプローチを続ける先生。ゼミ当日は香り米やインディカ米、ヤギ粉末ミルクなどあまり目にすることのない食材を持ってきてくれた。レストランが高級になればなるほどお米がまずくなる理由など、食文化の違いで米ひとつとってみて認識が大きく違うことを学んだ2時間だった。2次会は鍋。皆でわいわいあったかい鍋を囲み、それぞれの話や先生への質問で話が弾んだ。

後ろのほうではヤギミルクをつまみ食いする 参加者も…激写できず、残念。



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