学校の音楽の時間を思い出してみよう。ショパン、ベートーベン…それから雅楽。雅楽といえば、最近、教育の中に日本の音楽をもっともっと増やそうと言う動きがあるらしい。日本文化を大切にするのは大切だ!とはいえ、もし学校で“宇多田”や“林檎”を歌ったら? ポップミュージックは文化ではないのか? 今回はポップミュージックをこよなく愛す毛利先生の研究室を訪ねてみた。

ビートルズは「文化」か?


 文化には、大きく分けて2通りある。大衆文化や若者文化と密接な関係を持つ「サブカルチャー」とその対極にある「高級文化」だ。一般的に「文化」といえば、自動的に「高級文化」のことを意味し、学校や大学で学ぶに値するものだと考えられている。本を読むことは誉められるが、マンガを読むことは怒られる。「高級文化」である本に対し、マンガはそうではないからだ。しかし、日常生活と密着した文化は、それ自体が刻一刻と変化するものだ。例えば、60年代には「サブカルチャー」だったビートルズは、現在では音楽や英語の教材といった「高級文化」として評価されている。対極にあるとはいえ、いつその立場が逆転するかはわからない。「サブカルチャー」だって、立派な「文化」なのだ。

若者の学力は低下しているか?

 「最近、若者の学力低下が著しい」という人がいるが、本当にそうだろうか。長い間、洋楽にはかなわないと考えられていた邦楽。しかし、“宇多田”を始めとする現在のJ-popは技術的にも、洋楽と同等、またはそれ以上のレベルにまで成長した。この飛躍的な進歩は、聞く側がレベルアップした影響が大きい。音楽好きな人が購入するレコードの枚数が、月平均で2枚くらいだったのが、現在ではCD10枚程度。今時の若者はものすごい量の音楽を聞いており、J-popという特定の分野に関する“音楽リテラシー”はかなりハイレベルである。「サブカルチャー」も「文化」だとすれば、若者の学力が低下したのではなく、“別の分野にシフトした”といえるだろう。
いつも何気なく聞いているポピュラーミュージック。今月は、音楽から文化について考えてみよう!

九州大学
大学院比較社会文化研究院
助教授 毛利 嘉孝先生

京都大学卒業後、広告代理店に8年間勤務。ロンドン大学にてメディア&コミュニケーション・社会学を専攻。サブカルチャー、空間論、都市論、人権論… 研究の対象は多岐に渡る。特に趣味でもあるポップミュージックについては、専門誌に多数の執筆があり、その分析からは音楽に対する愛情が感じられる。


第88回アヴァンティゼミ
2001年4月27日(金)

講師
九州大学大学院
 比較社会文化研究院
 助教授
毛利 嘉孝 先生

テーマ
ポピュラーミュージックの社会学

参加費
2,000円
(クラブ会員1,500円)




BackNumber

2001.3
日本人を笑う日本人
前田 秀一郎
先生

2001.2
何を買いたい?何が売れるの?
笹川 洋平 先生
2001.1
自国の文化に親しむ"歌舞伎"講座。
橘 英哲 先生
2000.12
文化の紐解きしてみよう!
中西 祐ニ 先生
2000.11
B級(?)グルメのススメ
堀 康二 先生
「あれも欲しい。これも欲しい。何が欲しい?」
 
   “ゲートキーパーを捜せ!”
これが笹川先生のゼミのキーワード。ゲートキーパーとは、マーケティングにおけるキーパーソンの呼称。簡単に言うといわゆる“流行に敏感な人達”のこと。常に流行最先端をいく彼らは、仲間内ではオピニオンリーダー的役割を担っている。数は少ない彼らだが、そのココロをとらえた商品は、彼らが属するグループに必ず口コミで広がり、マスになる。マーケティングとはゲートキーパーを捜すことなのだ。赤坂の居酒屋で開かれた2次会でも、「ゲートキーパーだ!」という言葉がやたらと飛び交っていた。日頃広告を作っているアヴァンティスタッフにも、大好評のゼミだった。
福岡大学商学部助教授
笹川 洋平先生
消費者の行動というものを、自分たちに照らし合わせてみたりして。  



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