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今年から「社会デザイン工学科」という近代的な名に変わった、福岡大学工学部の土木工学科。日本で最初に「福岡方式」という新しいごみの埋立法を開発した研究室の松藤康司先生を訪ねた。
薬学部から、なぜか工学部へ。
もともとは薬学部にいたという松藤先生。「分析が得意な人間が欲しい」という水理衛生工学の花嶋正孝先生(現名誉教授)に誘われ、周囲に反対されつつ工学部へ移ったという。当時は東京のごみ戦争などでごみ問題が世に認知され始めた頃。教授に「この研究、将来的にはどうなんですか?」と聞いたところ、「誰かがしないといけない研究であることは間違いない。でも、明日はどうなるかわからん」という答えが返ってきた。普通なら不安になるところだが、「明日がわからんのなら、緊張の連続で充実した人生を送れるんじゃないか」と若き日の松藤先生は考えた。その後福岡市との連携研究で、日本初、ゴミの分解スピードを早める「準好気性埋立」システムを開発。「福岡方式」と呼ばれる画期的なこのシステムは注目を浴び、全国へ広がった。英語で名前を付ける必要に迫られ、当時流行っていたセミビキニからSemi-aerobic landfill system(準好気性埋立システム)と名付けた。「福岡方式」は官学連携によって世界各地に伝えられ、留学生が埋立方式を学びにやって来るようになった。「先が見えない」と言われていた学問が、今では世界60数カ国から留学生がやってくるグローバルな研究室になったのだ。
紙おむつが生まれ変わる。
現在取り組んでいる研究は「紙おむつのリサイクル」。高齢化が進み、紙おむつの消費量は年々増加している。福岡市の紙おむつ納入会社から「ダイオキシン問題などで使用済おむつを燃やせない。なんとかリサイクルできないか」と相談を持ちかけられたのがきっかけで、松藤先生を中心に福岡県・ベンチャー企業など、産・学・官からなるグループで研究を進めている。分離剤を用いて紙おむつから排泄物を取り除き上質パルプ・低質パルプ・高分子吸収剤などに分け、取り出した上質パルプから再生紙紙おむつを作る。低質パルプや排泄物を肥料に綿花やハーブの栽培実験も。将来的に、これらを原料とする紙おむつの製造も検討中だ。
目標は“おしゃれなデザインパンツを作ること”だ。「年を取ったらおむつを着けるのは当たり前。抵抗なく着けられるようなかっこいいパンツを作りたいんです。たとえばヒップアップ効果のあるパンツとか。質のいい紙おむつを作ることは介護問題にも繋がるし、働く女性が増えている21世紀の課題になると思う」。垣根を越え、今話題の“産学官連携”を30年前から行っていた先生。先生の思いが形になり、福大キャンパスから世界に広がる。生活から切り離せない「ごみ」問題、先生と一緒に考えてみよう。
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