十月 【第十七回】

◆可憐な穢れ払い。
菊のおひたし と 純米大吟醸 筑後川(菊酒にして)

◆博多の森も紅葉する秋の旬三昧
焼きナスと戻り鰹の葱ソース と 博多の森 超辛口純米酒

◆可憐な穢れ払い。
菊のおひたし と 純米大吟醸 筑後川(菊酒にして)

純米大吟醸 筑後川 
720ml 1,470円
山田錦・夢一献 精米歩合50% 米・米麹 
アルコール度数15~16度

料理と一緒に楽しめる、香りを抑えたタイプ。清らかで繊細な味。

飛龍酒造株式会社
http://www.fukuoka-sake.org/nihonnsyu/link-kura/hiryuu/hiryuu.html
福岡県三井郡大刀洗町大字本郷4616  
TEL 0942-77-0010

 例えば十五夜は芋名月、十三夜は栗名月。その時は芋や栗がつきだしとして出され、日本古来の食・酒習慣や謂れについてぽつぽつと語ってくれる。福岡ではまだ珍しい日本酒専門バー『吟醸酒肆ネッスンドルマ』に来ると、必ず1つか2つ日本酒話がお土産としてついてくる。

 今回のお酒『飛龍酒造』の「純米大吟醸筑後川」を持って訪れたのは9月2週目のこと。日本酒の達人芝ともこオーナーから提案されたのは、酒肴だけではなくお酒の飲み方そのものを提案してくれた。もちろん話つきで。

 「9月9日は“重陽の節句”。中国では奇数が縁起のいい陽の数なので、その最大の数である9が重なる9月9日を重陽の節句としてきたんですよ。この日に菊酒を飲んで穢れを払うという風習があったんです」。そうして、「筑後川」を菊の花びらを奇数枚浮かべた菊酒として出してくれた。

 純米大吟醸だけど香りは控えめ、さらっと喉を通る癖のないこのお酒は、ちょうど菊酒向き。肴も同じ菊、春菊、しめじのおひたし、と菊三昧に。avanti読者30代女性は厄年の多い年代、可憐なお酒で穢れ払いを秋の新しい習慣にしませんか。

料理協力:吟醸酒肆 ネッスンドルマ
福岡市中央区西中洲2-26-201
http://www016.upp.so-net.ne.jp/sake/
営/19:00~25:00 休/不定
日本酒 800円~ ※福酒5蔵常備、酒肴 500円前後

◆博多の森も紅葉する秋の旬三昧
焼きナスと戻り鰹の葱ソース と 博多の森 超辛口純米酒

萬代超辛口純米酒 博多の森 純米 
720ml 1,240円
精米歩合60% 米・米麹・アルコール度数15度

すっきりした後味が楽しめ、のみやすいのが特徴。 糸島産山田錦を使用。

小林酒造本店
http://sakebandai.com/
福岡県粕屋郡宇美町宇美2-11-1 
TEL092-932-0001

 三群山系の伏流水と豊かな自然の中、創業1792年(寛政4年)以来酒造りに従事し、宮内省への献納酒や品評会での受賞酒を造っている小林酒造場で生まれた『博多の森』。

超辛口と言っても人肌に温めると、福酒らしいコクが程よく現れ口の中で華やかに広がる。このお酒に合わせた秋の一品を披露してくれたのは、『和食家金魚』の吉元伸広店主。秋になって身が締まり肉厚となったナスを焼き、桜のチップで軽く表面をスモークした戻り鰹で包み込む。ソースは店主特製の葱ソース。それを丸ごと口の中へ。脂ののった鰹とスモークの香り、ナスのふんわり優しい食感に、葱ソースが絡まる。

料理に一工夫する創作が得意という、この道15年の吉元店主ならではの味のバランスのよさ、器の中にはイクラや季節のむかごなどが添えられその演出は女心を擽る。「今回の料理は素材それぞれにクセがあるけれど、それをうまく丸めてくれるのがこれですね」と燗につけた『博多の森』とこの一品を薦めてくれた。

料理協力:和食家 金魚
福岡市中央区谷1-15-27 
TEL 092-771-0045 
なごみコース 3,200円~、焼きナスと戻り鰹の葱ソース 820円、 日本酒 600円、日本酒のみくらべ3種類 900円

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九月 【第十六回】

◆初秋の名スターター。
季節の白身魚のカルパッチオ と 綾花 純米酒 瓶囲い

◆やっぱり、鴨の恵みでしょ。
マグレカナールのブイヨン煮 と 合鴨自然酒・一鳥万宝

◆初秋の名スターター。
季節の白身魚のカルパッチオ と 綾花 純米酒 瓶囲い

綾花(あやか) 純米酒 瓶囲い 
720ml 1,313円
山田錦 精米歩合60% 米・米麹 
アルコール度数15度

瓶詰貯蔵で山田錦特有の旨味と柔らかなコクをもつ酒。

旭菊酒造株式会社 
http://www.asahigiku.com
久留米市三潴町壱町原403 
TEL 0942-64-2003

かろやかな日本酒に合わせるなら、と『レストランKato』加藤シェフが直感で作ってくれた「季節の白身魚のカルパッチオ」。ゆずごしょうを溶いたオリーヴオイルをかけて、かぼすをたっぷりと搾る加藤さん定番の前菜だ。

刺身が勢いほとばしる新鮮さ、ならカルパッチオはその勢いをオイルで落ち着かせて新鮮な旨みをやわらかくした感じ。刺身とは違うマリアージュになりそうだ。冷やした香り高い大吟醸を白ワインのように…というのが一般的だろうが、「冷やしすぎたら味がわからなくなるでしょう」という『旭菊酒造』蔵元原田さんのひと言が耳に残り、常温で合わせる。

お酒は「綾花純米酒瓶囲い」。通常2回する火入れ(加熱)を1回しかせず低温で熟成しているため、生っぽさが残りやわらかなのみくち。邪魔にならない程度の芳醇な香りと常温の純米ならではのコクが、オイルや魚の味をやさしく受け止めてくれる。

このやわらかな風味の組合せの妙は「おいしい夜がはじまりますよ」と誘っているようで、やさしい夜風が吹き始める初秋の食事のスタートにちょうどいい。

料理協力:レストランKato 
福岡市中央区赤坂3-1-27 アヴェニール赤坂1F
TEL 092-752-3377 営/12:00~15:30・18:00~24:00 休/火曜(水曜はランチ休み)
〈ランチ〉1,890円~ /〈ディナー〉コース5,250円~、白身魚のカルパッチオ1,470円、その他アラカルト

◆やっぱり、鴨の恵みでしょ。
マグレカナールのブイヨン煮 と 合鴨自然酒・一鳥万宝

合鴨自然酒・一鳥万宝 純米酒
720ml 1,575円
精米歩合59% 米・米麹
アルコール度数15度

すきっとした飲み口、口の中に広がるまろやかな味。

瑞穂菊酒造株式会社 
http://www.mizuhogiku.com/
福岡県飯塚市天道375 
TEL0948-22-1050

『一鳥万宝』は約140年の歴史を持つ明治元年創業の、福岡県飯塚市『瑞穂菊酒造』自慢の一品。『瑞穂菊酒造』は300石(年間1升瓶で30,000本)という小さな酒蔵だが、地域の農家と連携して究極の“地酒”を造りたいと酒造りに励んでいる。

合鴨自然酒もその一つ。水田に合鴨を放ち、鴨が雑草や害虫を餌とし、鴨の糞は稲の養分となり米を作る合鴨農法、つまり無農薬農法だ。こうした自然の摂理で作られた米が、蔵人の手によって『一鳥万宝』として誕生した。

上品な甘さと香り良いこの福酒に合う“一品”をと腕を振るってくれたのは、19年のキャリアを持つ『Le紅い豚』の江口修史料理長。それは、期待通りの鴨料理!鴨の中でもフォアグラ用の「マグレカナール」を使用し、表面を香ばしく焼き上げ、低温のレギューム(野菜)ブイヨンでじっくり炊き上げる。ソースは煮詰めたブイヨンにバターと胡椒を加えたもの。余分な油分を落し、柔らかく鴨肉の旨みが凝縮した料理は、15度くらいに冷やした、合鴨自然酒と程よくマッチした。こんな福酒の楽しみ方もあるのですぞ。

料理協力:ビストロ以上ミシュラン未満 Le-Akai-Buta(Le紅い豚)
福岡市中央区六本松3-8-2 
TEL 092-714-2086 
営/昼11:30~OS14:00 夜17:30~24:00
ランチ1,000円~、鴨の炭火焼150g 980円~

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