石川 敦子さん
株式会社タカギ 第二営業部北九州営業所所長
いしかわ・あつこ / 1964年生まれ、北九州市出身。25歳の時に『(株)タカギ』に経理スタッフとして就職。営業事務として1年半の東京への単身赴任、採用を行う子会社でのリクルート担当を経て、営業部へ。一昨年10月より北九州営業所長を任される。きめ細やかな営業活動で、得意先からの信頼も厚い。趣味は楽しくお酒を飲むこと。
北九州から全国に展開している家庭日用品メーカー『株式会社タカギ』。成長中の企業らしく、社内は活気溢れる明るい空気で満ちている。そこに、部下にてきぱきと指示を出す石川さんの姿があった。
初の女性営業所長に大抜擢
石川さんが営業所長を務める北九州営業所のスタッフは、全員女性。家庭用浄水器の営業という、まだまだ男性社会の色が濃い建築業界をターゲットにした部署としてはかなり異例のことだ。
「最初は、取引先の方から『えっ女!? 責任者連れてきてよ!』なんて言われることも多かったですね。技術を勉強し、『私に任せてもらって大丈夫です』と伝え、少しずつ、少しずつ信頼してもらえるようになりました。今では『男とか女とか関係ないね』と言ってもらえます」と石川さん。
彼女が現在の会社に経理スタッフとして中途入社したのは25歳の時。27歳の頃は、営業事務として東京支店に単身赴任中だった。5歳と3歳の子どもを両親に預け、1年間の東京勤務を自ら志願したという。「離婚したばかりで、『これからは自分の力でこの子たちを育てていくんだ』という気持ちが強くて…。幸い両親の助けがあったので、ステップアップに繋がることは何でもやろうと思ったんです」。
その後、北九州で採用の仕事に10年携わった後、営業部に異動。所長に抜擢されたのは今から1年半ほど前のことだ。
所長就任の話がきた時、一度は「無理です」と断った。しかし、彼女を決心させたのは上司のある言葉だった。「あなたが所長という立場で活躍することは、これから入社してくる若い女性社員の励みにもなる」――。それは、以前採用活動に携わっていた石川さんが肌で感じていたことだった。自分が採用に係わった男性社員たちがどんどん出世し、女性社員とどんどん差が開いていく。結婚や出産で辞める女性が多く、ロールモデルとなる女性社員が少ない。そんな状況の中で女性の活躍を望んでくれている会社の期待にも応えたかった。得意先のクライアントも「石川さんならできるよ。頑張って!」と励ましてくれた。そしてとうとう「これで断ったらオンナがすたる。何もしないで諦めるのはやめよう」と所長就任を決意。
今では、石川さんを中心とした女性4人の営業所のきめ細やかなフォローはクライアントからも深い信頼を得ている。昨年度は北九州市内の新築分譲マンションの9割近くが『タカギ』の蛇口一体型洗浄水器「みず工房」シリーズを使用しているという数字も出た。シェアはますます拡大中だ。
会社と社員のWin―Win
営業所では、現在スタッフの1人が育児休業中。復帰後は勤務時間の短い他の部署に異動することもできるが、その彼女は営業として働くことを選んだという。「営業は相手のある仕事なので、育児との両立は正直大変だと思います。でもやってできないことはないし、今までの彼女の働く姿勢を見てきた周囲の人々はきっと快くカバーしてくれるはず」と石川さん。「女性が活躍できる環境を」と言ってくれる会社、そしてそれに応えていい仕事をしようとする社員。両方にとってプラスになるWin―Winの関係が企業を伸ばしていく。石川さんが颯爽と営業に出かけていく姿に、そんなことを思った。


















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