有働 里美さん
うどうさとみ / 株式会社プロフィット代表取締役、「楽生人」編集長。1964年、小倉生まれ。金融会社、印刷会社勤務を経て、2001年会社を設立、2004年に「楽生人」創刊。「50歳から愉しむ大人の時間」としてアクティブシニアへの情報発信や工也之を中心に各種プロモーションを手掛ける。
「今だ!」たった一度のタイミング。
もし、上司から「来月から役員にして給料100万円あげるよ」と言われたらどう思うだろう?
印刷会社で企画営業をしていた有働さんはある日ふと、そんな想像をしてみた。「100万円?…私いらないかな」。 上司に退職届を出したのはその翌日のこと。能力を認められ、女性係長として将来を嘱望されてもいた。端から見れば順風満帆の時なのに…。同僚から不思議がられた。
その少し前、有働さんは営業先の出版社で働く、同世代の女性から仕事を続けるかどうかの相談を受けていた。「いつでも辞められるんだから、もういっぺんやってみたら?」とアドバイスしたものの、いつしか話は「一緒にやろうか?」という流れになっていた。
実は当時、有働さん自身も、もっとお客様の役に立てる存在でありたいという思いを抱えジレンマの中にいた。
「だってお客様の目的は印刷物を作ることではなくて、それを使って何かを達成したいから作るんでしょう。だからその“何か”を理解しないと作れないはずなんです」。
だが、完成度や結果はどうあれ、クライアントが良ければOKという会社認識と、彼女の思いのギャップは広がるばかり。まさにそんな時に受けた相談だった。
「後にも先にも『今だ』、と思ったタイミングはこの時だけです」。
こうして有働さんは引き止める会社を説得して退職。誘ってくれた女性とともに、㈱プロフィットを設立した。
思いついたら全力投球
「1から2を作るより、新しく0から1を作ることが好きなんですよね」という有働さん。
幼い頃から人と同じが嫌いで好奇心が旺盛、負けず嫌い。保育園の運動会では皆と同じブルマを嫌がり、一人だけショートパンツで出場した。3歳の頃から一人で銭湯に行き、周囲のおばちゃんに「小さいのにすごいね」と褒められるのが大好きだった。成長してからも、「○○のようになりたい」ではなく、いつも「自分がどうありたいか」が行動の基準。だから会社で昇格することが目的ではないし、5年、10年先の自分を見ようとしているから、どんな仕事でも+αを考えていた。「どんなことも、適当には出来ないのでものすごく疲れるんですよ。損な性分です」。でもその性分が彼女を磨き、周囲もその実力を認めるほど成長させたことは間違いない。
プロフィットという新しいフィールドを得た有働さんは、水を得た魚のように動き始める。祖母を亡くした経験から、シニアが抱える内面の孤独について考えるようになり、北九州の半数を超えるシニア世代が元気でいられるような情報を提供したいと「楽生人」を発行。また、今年は市制45周年記念イベント『サイクルツアー北九州inメディアドーム2008』の企画も立案した。
「市外から来る人も市内の人も一緒に盛り上がれるイベントだと思うんです。満足してもらえれば次の年は友人や家族を連れてさらに大きなイベントへ。そんなことを考えるだけでワクワクする」
通常業務+αだから、正直大変。でも自分が育った街だから、このワクワクする気持ちだけで動いていると有働さんはいう。きっとこれが自分に与えられた役割なんだと。
「私の中に、常に飢餓感があるんです。何かしなきゃいけない、今のままじゃいけない、という思いがあるんですよ。誰に言われたわけでもないのに」
きっと有働さんは毎日を人の2倍ぐらいの密度で生きている。5年後、10年後の有働さんはいったい何をしているのだろう。今から興味深い。

今年5月、バイクニューヨークの視察へ。


















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