
福永 茂さん
ラ・ギャラリー・デュ・ヴァン株式会社 取締役 ワイン・ディレクター
ふくなが しげる / 1969年、北九州市小倉北区生まれ。ワインに関する輸入、卸販売、小売販売、イベント企画などを行う『ラ・ギャラリー・デュ・ヴァン株式会社』の取締役&ワイン・ディレクター。空手歴は20年近く。フランスやヨーロッパで多くの人との出会いや風土や文化に触れ、多大な影響を受けるが、その知識や感覚があまりにも表面に出ないためフランスに留学していたことを信じてもらえないことも度々(本人談)。ワインやウィスキーなど酒の楽しさを伝えるのが何よりの喜び。
http://www.g-vin.co.jp
高校卒業後、単身フランスへ
もともと父が酒屋を営んでいたのですが、北九州ではかなり早くからワインをたくさん扱っている酒屋でした。父親は僕が子供の頃から将来の二代目にワインの勉強をさせようと思っていたようです。かなり小さい頃から「大きくなったらフランスに行ってワインの勉強をしてくるんだぞ」とマインドコントロールされていたような気がします(笑)。敷かれたレールに反発した時期もありましたが、高校卒業後はフランスに留学しました。とはいっても、慣れないフランス語はなかなか聞き取れず、ワインの知識も全然ない状態で、です。アメリカにホームステイした経験があったとはいえ、今思うと、あの時の自分の「出たとこ勝負」加減にはある意味すごさを感じますね(笑)。
留学先がボルドーというワインの有名な産地だったので、30分も車で行くと世界でもトップクラスのシャトー(ワイナリー)がたくさんありました。しょっちゅう出かけて、見学したり生産者の方と話をさせてもらったりしましたね。そんなある日、とうとう運命の1本と出会ってしまったのです。それは、シャトーフィジャックという有名ワイナリーに見学に行った時のこと。熟成した飲みごろのワインを飲ませてもらったのですが、これがもうものすごく衝撃的な美味しさ!それまで自分の中で“お酒の一種”という認識だったワインという飲物が、まったく新しい概念として生まれた瞬間でした。その美味しさが花開いたとき、心の底から感動し、それ以来すっかりワインにはまってしまったのです。
その後、大学の醸造学科で学び、フランス国内のワイナリーをあちこち訪問、泊まり込みでワインを実際に造ったり、ドイツやスコットランドのワイナリーや蒸留所などを回ったりと、5年間ワインをはじめとしたお酒について学びました。
ワインの楽しさを伝えたい
日本に帰ってからはワインの輸入を行っている会社に就職。すっかりフランスモードだったため、社会復帰するのが大変でした。昼に酒を飲んで怒られたりしていましたが(笑)福岡で3年、東京で2年働きました。その後は山梨県にある老舗のワイン製造会社で営業の仕事を2年間。34歳の時、実家の店に戻ってきました。
今は少し前までと違い、ブランドではなく、味や価格でワインを選ぶ時代です。自分の好みの物を見つける楽しみを皆さんに伝えたいですね。「ワインの味の違いが分からない」と言う方も多いのですが、それは「飲み比べ」をしていないから。比較しないと、違いは分からないんです。それで皆さんに楽しく飲み比べをしてほしいと開催しているのが、毎年恒例の「ワイン・レヴォルーション」というイベント。有料ですが、国内一流のワインの輸入・販売会社の協力のもと、200種近くのワインを試飲することができます。色々なワインも飲めるとあって、毎年たくさんの方が来てくださっています。ワインの楽しさを少しでも感じていただけるとうれしいですね。
酒で遊ぶ、人生を楽しむ
ひと言でいうと、僕は「お酒で遊ぶ」のが大好きな人間なんですね。酒を料理と合わせて楽しんだり、いろんな酒を飲み比べたり、酒のいろんな知識を得たり、美味しいものを人にお勧めしたり、仲間と楽しい時間を過ごしたり。こんなに遊べて、人生を楽しくしてくれるものってないですよね。
ワインとは長い付き合いになりますが、まだまだ飲んだことのないワインは星の数ほどあります。この先も、いろんな出会いがあり、自分を驚かせたり感動させたりしてくれるのかと思うとワクワクします。人生に、お楽しみがたくさん待っているという感じ。そして、そんな楽しさをお客様に伝えることができる今の仕事がとても楽しい。わざわざお店に来てくれた方が、僕の説明を聞いて「ワインって楽しいですね。持って帰って飲むのが楽しみ!」とワインに興味を持ってくれるのが何よりも幸せな瞬間なんです。
Q. 座右の銘は?
「Better than nothing」失敗したとしても、何もしないよりした方がいい。やらない後悔より、やった後悔。もう1つの座右の銘は「良くも悪くも、倍返し」(笑)。
Q. 尊敬する人を教えて。
どんなに上の立場にいても、聞く耳を持っている人。人に気を遣わせず、スマートに気遣いができる人。自分もそうありたいものです。
Q. この仕事に向いているのはどんな人?
アルコールに弱くてもいいので、お酒が好きで、お酒好きな人を好きな人!


















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