
観客動員数1680万人以上の大ヒット映画『タイタニック』。レオナルド・ディカプリオは、貧しいアイルランド青年役。アメリカ映画といわれている『タイタニック』だが、その背景にはアイルランド文化がたくさん見え隠れしている。
戦いに敗れ、飢えに苦しんだ悲劇的な歴史を背負いながらも、明るく、前向きに生きているアイルランドの人びと。彼らの生き方や精神に共感し、魅了されながら先生の研究は続く。
文学者や音楽家の宝庫、アイルランド。近年話題になっている「ケルト(アイルランド)ブーム」とは一体?
「僕はアイルランドに行くと、なぜか故郷に帰ったような懐かしい気持ちになるんです」。話し好き、語り好き、もてなすことを最高の美徳とするアイルランド人。PUB(public house)も「語る文化」から発達したもの。そんな“人”が好きでたまらないと。
アイルランドはヨーロッパの西の果てに位置し、面積は北海道ほど。首都ダブリンの人口は北九州市と同じく約100万人。「ダブリンは世界最大の村である」と称したサミュエル・ベケット(Samuel Beckett)など、4人のノーベル文学者を輩出。アイルランド系アメリカ大統領のジョン・F・ケネディ、ロナルド・レーガン元大統領、ビル・クリントン前大統領。現在日本でも大人気のU2やエンヤも同じく。世界各国でアイルランド系文芸者が活躍している。
癒しの文化、“ケルト文化”
アイルランド人の先祖である“ケルト民族”は、紀元前1200年ごろからヨーロッパに広く分布し、文字をもたない民族といわれている。アイルランド人が語りや話しが好きなのは、文字を持たず「語り」や「詩」を通して文化や文学を継承(口承)してきたところにルーツがある。
また、「ケルト人は、死と再生の“輪廻転生”を宇宙観として持つといわれ、日本や東洋の思想にも共通している」と。ケルトの伝説や物語には、樹や大地の“精霊”が登場したり、自然を大切に、目に見えないものを大切に思う精神が多く表現されている。「われわれがどこかで失ってしまったものを思い出させてくれる…そんな気持ちになれる」と先生はいう。
ケルト文化は“癒しの文化”といわれ、現在も世界中でブームとなっている。今回のゼミでは、映画『タイタニック』を鑑賞しながら、近年話題になっている「ケルト(アイルランド)ブーム」の根底に迫っていく。もうひとつの『タイタニック』の物語を知る旅に出よう!

梅光学院大学 文学部 英米文学科
教授 吉津 成久先生
山口県下関市出身。1998年から2年に1度、アイルランドに学生を連れて行き、生の文化に触れる“フィールドワーク”を自主的にさせたりと、様々な研究や授業を実施中。趣味は、音楽鑑賞・演奏、野球観戦など。こよなくアイルランドを愛し、日々研究に打ち込んでいる。


















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