
何事にも慌しい現代社会。忙しい、時間がない、疲れているという理由で、食生活がおざなりになっている。最近、その季節でしか味わえないものを食べた? 季節感を“舌”で感じてる? 素材本来の味がわかってる? 便利で、速くて、安いからと簡単に食事は済ませていない? そう尋ねられると「ドキっ」とするあなた!
今回は、「味覚と疾病」を研究課題としている九州女子大学家政学部栄養学科の下田妙子先生の研究室を伺った。生活の基本中の基本である「食」の大切さについて学ぼう!
あなたの味覚は大丈夫?
あなたは、日々の「食生活」で、甘味、塩味、酸味、苦味を正しく感じている?家族や友人で同じ料理を食べても、味が薄すぎると感じたり、全く味がしなかったりという…そんな経験があったとしたら大変!
実は気がついていない間にストレスや栄養不足で、正常な味覚を感じない『味覚障害』が起こっていると先生はいう。しかも老人や疾病患者だけでなく、最近ではごく普通に生活している私たちの中にも増えていると。「血液透析患者における味覚異常の原因について」の研究結果から、色々な要因はあるにせよ、『亜鉛』が味覚障害に対して重要な役割を果たしていることが判明。
では、今の食生活を見直し、『味覚障害』にならないためには、どうしたらいいのだろうか。
味覚形成の時期はいつ?
心と体が疲れたとき、カラダが何を欲し、そして何が食べたくなるのか? 考えた事があるだろうか。それは子供の頃から食べ慣れた、「快」情報として舌や頭や体が覚えている味だと先生はいう。
さて、人は離乳食を始めた時期に味覚が形成されるのだろうか? 赤ちゃんは母親が向き合って、言葉をかけながら、食べさせることで、味付けした人の顔、雰囲気、香りなどが「味」となり、神経のネットワークとして記憶されるのだと。もし離乳食を始めた時期に、母親が言葉もかけず、テレビを見ながら黙って、もくもくと食事を与えているとしたら…。神経には何が記憶されるのだろうか? 「おいしいね」とか「甘いね」などのちょっとした語りかけがとても重要だそうだ。
今回のゼミでは、先生の子育ての経験も交えて、赤ちゃんが母親のお腹に入っている妊娠中から母親が食べているものが、直接赤ちゃんの味覚に大きく影響することなどが学べそう。これから結婚し、『母親』となる女性には、今日からでも心がけてほしい「食教育」の話しを、たくさんの人に聞いて欲しい。
食べるという人生最大の楽しみを、もっと楽しむために! 正しい味覚を知るために「味覚感度」を調べることからはじめてみよう?

九州女子大学 家政学部 栄養学科 教授
下田 妙子先生
大分県緒方町出身。1976年徳島大学大学院栄養学研究科修士課程修了後、九州歯科大学口腔解剖学講座助手、講師を経て1994年より九州女子大学へ。
歯学博士(九州歯科大学)。九州歯科大学付属衛生学院講師を始め、九州大学健康科学センター、京都大学大学院非常勤講師を兼任。趣味はガーデニング、気分転換に料理、スイミング、海外旅行。今年も長年の研究活動であるカザフスタン共和国へでかけるパワフルな先生だ。


















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