
いっこさんのプロフィール
福岡市在住。高校卒業後金融系企業に約30年勤務。一般職から総合職に転換し、仕事中心の充実した時間を過ごす。大阪へ赴任後、‘06年スキルス性胃がん発症。余命3ヵ月と告知され、闘病を期に退職。今出来る社会貢献の一歩として、少し伸びた私の時間を「価値ある人生を生きるために」使いたい。
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お薬のせいなのか ・・・ 以外によく眠れた感じがした
手術当日 なんだか朝からとても慌ただしい
お腹の中を空っぽにするために 昨日飲まされた下剤、そして朝の浣腸
しかし「全部でました~」って自己申告だけではOKはもらえず
看護師さんに「出たら流さずに見せて下さい」と言われ
えぇ==(大の大人が、出したものを見せるなんて・・・恥ずかし過ぎる)
・・・ こんなことは序の口なのかもしれない ・・・
きっとこれから色んな非日常が起こるんだろうな・・・って
いちいちびっくりしてられないと思い 病人に徹することに決めた
そんな小さな事で心がうろうろしている中
まわりは手術に向かって淡々と物事がすすめられていく
手術中エコノミークラス症候群にならないようにと
ビシッと締め付けるハイソックスを履き
検査着みたいな手術用のものを前後ろに着て
その姿を鏡で見ながら
「このまま逃げだそうかなぁ・・・」なんて ボソッ と言ったら
兄貴が笑いながら「何ば言いいようとや!」って
内心ダメ元で口にしてみた私 ・・・ 往生際が悪すぎる
それから点滴を打って・・・
手術開始予定が午後1時だった私はその恰好で時間待ち
待っているとき、本当にしょうもない事を考えていた
麻酔中は夢を見るんだろうか?
手術中足がピクっとなったりしたら恥ずかしいな なんて
――― 看護師さんが呼びに来られた
ついに来た 手術の順番
テレビみたいにストレッチャーに乗っていくのかなぁ~と
思っていたけど、車いすに乗って手術室まで
車いすに座っていたせいか 手術室のドアが何だか大きく見えた
――― 抑えていた恐怖心が少しぶり返してきた
入り口で家族に「じゃ行ってくるね!」みたいなこと言ったかな?
みんなが見守ってくれているって本当に心強い!!
手術室に入り、思ったより幅が狭い手術台に上がり
まず背中に細長い管を入れた
術後切ったお腹が痛くないように 何日か麻酔の管を入れているとの説明だった
「痛くない?」の問いかけに「全然痛くありません」と答えたら
「私は上手なのよ」って頼もしい麻酔の先生の声がして 妙に安心感があった
それから先はあまり細かく覚えていないけど
「お薬入りますね~」の声が聞こえた途端
突然 すべて「無」の世界に落ちた
何も考える暇もなく “あっ!” と感じる間もなく瞬間的に
じわじわ~っとフェイドアウトするのかなぁ と思っていた私は
今でもその時の事を思い出すと ――― なんだか変な感じがする
死ぬってこんなことなのかな~なんて思ったりも・・・
あっという間に意識が無くなってしまい
――― 夢なんて見るわけがなかった
☆いっこ☆
2008-07-31 11:43 AM. [
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私が泣きながら病室に戻って
負けない!絶対に乗り越える!! と自分に必死に言い聞かせ
憎きスキルスにファインティングポーズを向けようとしていた時
義姉には衝撃の話があったということを 1年ぐらいたって聞かされた
私の余命
手術できても、生存率は普通の胃がんの場合の半分
もし手術できなかったら 余命2~3か月
私の人生の幕引き時 短すぎる ・・・
聞かされた義姉は相当なショックだったと ―――
でもその時 私と母には黙っていてくれた事 とても感謝している
スキルス胃がんだとか 手術だとか 合併症だとか
強烈な衝撃を受け、必至で立ち向かおうとしているのに
その時、さらに追い打ちかけて「余命」とか明確な時間を聞かされていたら
もう 自分を支え切れなかった
急激に襲ってきた運命に心も体も振り回されているのに
それにその時は「死ぬ」なんてこと現実に感じていないのに
そんなこと言われてたら ・・・
決定的な事を受け入れるなんて 絶対無理 ・・・
――― 余命 ―――
残りの人生をできるだけ自分の思い通りに生きるためにも
伝えることも必要なのかもしれないけど・・・
私はその時聞かされなくてよかったと思っている
義姉も手術の説明で泣いている私に
到底言えるわけがなかったのだと思う
逆の立場でも言えない 言えるわけがない
本人へ言うか言うまいか
家族はどれほど悩み苦しい思いを抱えるのだろう・・・
そして心に仕舞い込んで
何も聞かなかったかのように振舞うしかなかったのだと・・・
あの日、義姉一人にそんな辛い思いを背負わせてしまい申し訳なかった
本人より家族の方がずーと精神的に苦しい思いをするんだと思う
義姉は変わらず そして 何も語らず
私に気付かれることもなく
面会時間をしばらく過ぎて母を連れて病室を後にした
私や家族にとって試練の一日だった
☆いっこ☆
2008-07-24 10:26 PM. [
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暫く涙が止まらず とても追い詰められた状況の自分が恨めしかった
病室に戻り カーテンに囲まれたベッドの上で
ひとり運命を受け入れるしかない現実と向き合わされていた
フー 息を吐いた
思いっきり泣いたら少しは落ち着いてきたようだった
もう怖がってる暇はない ・・・ わかっている
だって 手術は明日なんだから
腹をくくるしか選択肢はなかった
ぼんやりしていて 考えているようで考えられない頭 と おさまらない心
その時S医師の顔がカーテンからひょっこり!
いつも明るく元気でまっすぐな彼女(S医師は女医さんです)
多くは語らなかったけど
私をしっかり見て 「一緒に頑張りましょう!!」 と言ってくれた
孤独な闘いだから 一緒に・・・の言葉がすごく嬉しかった
そして踏ん切りのボタンを押されたような・・・
少し冷静になって
怖さの衝撃で忘れていた「病気に立ち向かうファイティングポーズ」を思い出した
逃げても仕方ない
そうだ もう頑張るしかない!
負けるわけにはいかない!!絶対に!!!
何度も 何度も 何度も ――― 自分に
言い聞かせて 言い聞かせて 言い聞かせて
あきらめずに 立ち向かうために
ぎりぎりのところでの 自分自身にマインドコントロール
前だけを見ていこう ―――
ほんの少し さっきより心の置きどころが見えてきた感じ
心は折れなかった
手術前日 平常心どころかとても疲れた
とりあえず寝てしまおうと
看護師さんに渡された 睡眠導入剤を飲んだ
―――― 勝負は明日
☆いっこ☆
2008-07-17 08:37 PM. [
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入院前
「胃癌説明書」に沿って 主治医から丁寧な手術の説明があった
その時は、自分の枯れ枝のような胃を見て衝撃を受けていたので
「すぐに取ってほしい!」と思い、医師の話を “手術ありき” で聞いていた
手術前日
今度はもっともっと詳しく 私にはかなり怖い説明があった
別室で検査結果の写真などを映した部屋に
執刀医のH医師と担当医のS医師と担当の看護師さんと
私と母と福岡から来てくれていた義姉 計6人
まず手術の内容
胃全摘と胆のうと脾臓も摘出して・・・
えっ! 驚いた 取るのは胃だけじゃないんですか? と思わず口に出た
確か入院前にも聞いていたはずなのに・・・いざとなると怖くて
あまり覚えていないけど、胃全摘の場合は その後の影響を考えて
取ってしまうというような説明だったと思う
スキルス胃がんは胃の壁に広がり、小さながん細胞をお腹にばらまくので
がんがお腹に散らばっていても少しなら取るけど、たくさんなら取らない とか
こう切って こうくっ付けて とか
あと 手術の合併症で
縫合不全とか 腹膜炎とか 肺炎とか 腸閉塞とか 脳梗塞とか ―――
特に私は難病のため、脈が取れないし頭へ血液を送る動脈に問題があったりして
飲んでいる薬の影響で、免疫力も低下しているので
いろんな感染症も心配されて
大動脈炎症候群でスキルス胃がんの人の手術は初めてだからとのことで
不測の事態にも十分に対応するというような・・・
1時間ぐらいの説明だったか
私の薄っぺら~な強がりの仮面はもろくも崩れた
スキルス胃がんの怖さより 手術の方が物凄く怖くなって
たとえ手術できても合併症に苦しめられるのでは
それが致命傷になったりしたら ―― と もう 怖くて 怖くて
最後の方はただただ泣くばかり
・・・・・・・・ それでも手術する必要があるんですか?・・・・・・
って 涙でぐちゃぐちゃの顔で先生に訴えるように聞いた
その時の
先生のなんとも言えない 包み込むような優しい目だけ覚えている
解りきっていたのに ―――
手術できるかできないかのぎりぎりの状態で
一刻も早く手術しないと手遅れになる状態だと
―――― 解っていたのに
インフォームドコンセント ――― 説明と同意
病気の状態や手術の詳細な 「説明と同意」 はとても重要なこと
患者の知る権利でもあり 病院側の知らせる義務もある
でも 起こり得るであろうすべての事実を受け入れるには
告知後に必死で心を奮い立たせていた私には
許容できるほど 心に余裕がなかった
逃げ出したかった ・・・
☆いっこ☆
2008-07-14 08:45 PM. [
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2006年11月24日
スキルス胃がん告知からあっと言う間に2週間が過ぎて 入院の日が来た
もう 「まな板の上の鯉だ!」 と腹をくくるような特別な勢いもなく
さぁ行きますかー みたいな 抑揚のない淡々とした感じ
がん拠点病院
とても奇麗な病院 最初に来た時 吹き抜けの受付フロアにグランドピアノなど
ホテルのような趣に なんだかほっとした
どれくらいの期間になるかはわからないけど
辛い治療を受ける中での病院の環境は 患者にとってとても大事なこと
清潔感もあり 患者に余計なストレスがかからないような設備が整っていた
5階北病棟 外科フロア 4人部屋
窓側だったので外の景色が見えて解放感があった
過去に5回も入院経験がある私は、一人ぼっちの個室より
他の患者さんとおしゃべりできる部屋の方が淋しくなくて好きで・・・
でも この経験はがん治療にはあてはまらない事を 後で痛感することになる
とりあえず着替えたり荷物を片付けてバタバタしてたら 突然花屋さん登場!!
大好きな 黄色のお花 が届いた ――― 東京の尊敬する憧れの先輩からだ
さすがの粋な計らいに 緊張していた神経が少しほだされ
お部屋も気分も明るくなった
次の日は後輩たちが ピンク色のお花 を ――― そして
その次の日は京美人の友人が オレンジ色のお花 を持ってきてくれた
窓際はお花でいっぱいになり 華やかなお部屋になった

/// 嵐の前 の穏やかな3日間が過ぎた ///
☆いっこ☆
2008-07-09 05:34 PM. [
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毎回のことですが、本当に副作用には苦しめられます
TS-1服用の手引には沢山の副作用が書かれていて
白血球減少・貧血・血小板減少・食欲不振・吐き気・下痢・口内炎・色素沈着・発疹etc
私のように手術できなかった人は、できた人の倍位の確率で副作用が現れるとのことで
私は口内炎以外の全ての副作用を経験済です
でも口内炎ができないということは、「食べれる」ということなのでかなりラッキーな事
とは言え、今回の吐き気はMAXって感じで ・・・ いつもMAXと感じているような ・・・
前半の1週間は吐き気やだるさや食欲不振がメインで
後半はそこに下痢の日々が訪れ やってられません
――― 命を繋ぐって本当に大変
それでも私はましな方だと思うので ・・・ 感謝しなきゃ って
まぁ入院中の辛さを思えば、比べものになりませんけど
飲んでも飲んでも、この薬は慣れるものではありませんねぇ
それでも何とか対策を練り
この辛さを乗り切る作戦を立てるのですが
作戦その① まずは気合いで
作戦その② 無理やり笑いながら薬を飲んでみる(笑いは免疫力を高めるからと・・)
作戦その③ 忍耐あるのみ
変な作戦です
精神論ばかりで ―― 要は精神を鍛えねば勝てない相手です!!
とりあえず つらい時はひたすら寝ています
そんな時に今週届いた “お花メール”
闘いの空気を 一瞬 癒しに変えてくれた お花の贈り物
タイトルは
「六月晦日の紫陽花」

あと1週間です! がんばれ!ファイト!
☆いっこ☆
2008-07-05 02:47 PM. [
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