スキルス性胃がんと宣告されてから。「病との共存生活」~価値ある人生を送るために~

いっこさんのプロフィール
福岡市在住。高校卒業後金融系企業に約30年勤務。一般職から総合職に転換し、仕事中心の充実した時間を過ごす。大阪へ赴任後、‘06年スキルス性胃がん発症。余命3ヵ月と告知され、闘病を期に退職。今出来る社会貢献の一歩として、少し伸びた私の時間を「価値ある人生を生きるために」使いたい。

< 決意 >

翌朝目覚めたとき
切ったお腹を無意識にかばっていたのか
身体の色んなところがしびれた感じがしていた

看護師さんは優しく私に日常をスタートさせてくれた
歯磨き・・・といってもブラッシングとグチュグチュ程度
洗顔・・・タオルで顔ふき
術後の私にはそんなことも、やっとの作業だった

一通りの朝が終わったころ
執刀医のH医師が「おはよう」ってICUに入ってこられた そして
「手術で胃は取れんかったんよ・・・」って
私の右斜め前に立って さりげなく 私を見るような見ないような微妙な体制で
手術できなかった理由を はっきり教えてくれた

先生方はいつもそうだった
正直に口ごもることもなく スパッと事実を伝えてくれる
そのお陰で私はずーと先生方を信頼することができた

やっぱり・・・胃がむかむかするからそうかなぁって思ってました」って答えた
不思議だけど 心に妙な安心感が広がった
先生にはどう映っていたかはわからないけど
冷静に考えれば、お腹開けてそのまま閉じたと聞けば「最悪」と感じるはずなのに
その時は正直「ほっと」した

なぜなら 手術前の説明での合併症のことが物凄く怖くて
それを避ける事が出来るなら 手術できない方がいいと  少し思っていて
だから 胃を取っていないと聞いた時 これで合併症には苦しめられないと思った
そこが素人というか・・・ 
病気の優先順位がよく理解できていない 相手は 手強いスキルス胃がん なのに

最初の心の動きはそうだったけど すぐに 手術できなかった事は心に「ズシン」ときた
そりゃ 「お腹開けたけどそのまま閉じた」 と聞かされて 「平気」なはずがない
ただ なんて表現したらいいのか
心に準備ができていたというか 予感みたいなものが既にあったから
わりと冷静に受け止められたんじゃないだろうか
本当に クールだった その時の私

続けて先生が
「抗がん剤治療に切り替えるからね。1か月をワンクールとして6クール」
「先生 抗がん剤で胃は元にもどるんですか?」
「劇的に効けばね。元に戻る場合もあるよ。」
その言葉は私に期待させるような響きではなかった ただ淡々と ―――

「6クールか ・・・ じゃ6か月は生きられるってことですね?」
私は半分冗談のように尋ねた  
「・・・・・・」
先生は無言だった

当然返事が出来るわけがない
家族には2~3か月と告げられているのだから
そんな事を知らない私は
先生がいつも通り優しい顔をしていたので 
質問の答えを「肯定」されたと思い込んで

すべてに見捨てられたわけじゃない まだ抗がん剤治療がある!それならそれに賭けよう!
そうすれば半年後にはまたみんなと一緒に 普通の生活に戻れる!!
絶望感は よぎりもしなかった
その時は抗がん剤の辛さも知らないから 頑張れると思った

そして腹も決まった
だって後戻りできるものじゃないし 前に進むしかない
強く決意した 「私は負けない!!」
☆いっこ☆

<ICUで・・・>

手術できなかった現実を突き付けられた家族
目を覚ました私に
その事が気付かれないように 
ICUの中にある時計を急きょ取り外してもらっていた

ある程度の手術時間を聞かされていた私が
目を覚まして時計に気づき
手術時間の短さに 「最悪の結果」を直感しないように
そしてショックを受けないように
家族がお願いしたことだった

まるで・・・白い巨塔の1シーン “財前五郎”と同じだ

私はそんな事には気づかず
声をかけられて ぼんやり目が覚めた時は 
とにかく寒くて 奥歯がガチガチして 身体がだるかった
でも なぜか意識だけはすごく「クリア」な感じだった

「よく頑張ったね!」って声が聞こえた 「ママだ・・・」 顔も見えた
麻酔の闇から引き戻されたせいか 
硬かった意識が なんだか ほぉわぁ~ っとした
家族の顔も見えた
――― 手術 終わったんだ ―――

… ん ???
少し経って 何故 母は「よく頑張ったね」としか言わないんだろう? 
普通は「悪ものは全部とれたよ!」とか「手術は成功したよ!」とか言うんじゃないの??

  ――― もしかして手術はできなかったんじゃ・・・ないかな・・・? ――― 
  ――― 胃もむかむかするし  ――― 胃が残ってる・・・??

そんな思いが頭の中を駆け巡る
しかし、とにかく身体がだるいので眠りたい・・・ 
気持ちと身体の要求がかみ合わない感じだった
不安定な状態が続く

しばらく居てくれた家族が「そろそろ帰るね」というのを 「嫌だ」 と首を振った
もうちょっとそばにいてほしかったし 何だか わがもままも言ってみたかったから
甘えた

それから少ししてみんなが帰って
ひとりになった時
また 「きっと手術はできなかったんだ」という思いが起こってきた
ただ 身体も重いし キツイし その辛さが勝って
手術の結果に対して深く考えられない
鼻のところの酸素がうっとうしくて何度も勝手に外したのに
気が付くとまたチャンと鼻についていた
それぐらい うつらうつらしていたのだろう

そんな事を繰り返してた時、S医師が来られ
「今は手術が終わったばかりなので、結果は明日話すね」って優しく言われた
とても話を聞ける状態ではなかったので、そうしてもらえてよかった
でも・・・
核心に触れない言葉使いに、さっきまでのもやもやした思いが「確信」に変わった
間違いない!手術はできなかったんだ! って
☆いっこ☆

<スキルス胃がん 手術断念>

5時間ほどかかると言われていた手術時間が
2時間もしないうちに 家族は呼び出された

がんに侵された胃を 手術で取ることはできなかったとの報告
お腹を開けてみると、既にがんが胃だけでなく
肝臓や大腸に浸潤(うつっている状態)していて
腹膜播種(ふくまくはしゅ)――(お腹の中にがん細胞が種を蒔くように散らばっている)
胃を切除したところで 散らばったがんは取りきれない
手術はできない状態 ・・・ 
完治困難のスキルス胃がん ステージⅣ

お腹はそのまま閉じられた

そして家族へは
「残念です・・・」 とも告げられた
――― 切ない言葉 
私の余命はこれである程度決定づけられたことになる
あとは抗がん剤治療に望みをかけることに・・・

母は医師に「少しはごはんを食べられるようになりますか?」
と尋ねたらしい
せめて 美味しいものを食べさせたいとの思いから・・・

手術の成功を祈っていた家族 ―――
ICUで眠っている私に なんて声をかけようと思ったのだろう?
私はその時の詳しい話は聞いていないけど
「私の死」ということを 心の中に準備したのだろうか。。。

私の スキルス胃がんとの本当の戦い は
ここから始まる
☆いっこ☆

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Referer
1: Google [ 白い巨塔 腹膜 がん ]
1: Biglobe [ スキルス 胃がん その他転移 ステ?B ]
1: Google [ 腹膜転移は絶望的 ]
1: Google [ スキルス 完治 ]
1: Google [ スキルス 完治 ]
1: Google [ スキルス 完治 ]
1: Google [ 腹膜播種 劇的に  ]
1: MSN [ ]
1:search.live.com /results.aspx
1: Yahoo! [ スキルス 完治 ]