映画レビュー第一弾!「最初を飾るには、ひとつとっても地味な作品を」と、あまのじゃくのみっちーは思ったのでした。今回ご紹介するのは・・・
なんで人生うまくいかないのかな。恋人ナシ、仕事もつまんない。あーあ、これから、どうなるんだろ・・・。
この映画は、そんなどこにでもいるような悩める女の子の四日間を描いたお話。主人公のナディアはカフェでバイトしてる27歳のシングル。出会い系の留守録サービスに自己PRを吹き込んで恋人探しをしてみるけど、現れるのは見るからにまずそうなおじさんだったり、「こりゃ掘り出しモンだわ♥」と思ってたステキな青年にも、実は裏があったり、なかなかうまくいかないんだわ、こりゃ。(ま、それが現実ってもんですわ。)
平たく言うと、よくある「もう半分の自分探し」のストーリーだけど、ユニークなのは最初と最後を比べても、ほとんど状況の変化がないってこと。「それで映画が成り立つの?」って不思議に思うでしょ?でも、立派に成り立つんです、コレが。なぜっていったら・・・
正確にはこの映画、主人公は一人じゃない。ナディアっていう「主人公」が一応いるんだけど、彼女を取り巻く家族やご近所さんたちも、めいめい小さな問題を抱えてて、そのひとりひとりに丁寧にスポットが当てられる。引きこもりの青年、妻に無視される夫、ノイローゼの女、失業したことを妻に言えない男・・・。それぞれにドラマが。私は観てるうちに、いつのまにか登場人物ひとりひとりに感情移入してる自分に気づいてビックリでした。
この映画の一番ウマイとこは「フツー感覚」。映画なのに、「作り物」ってことを感じさせない、地味さ加減が絶妙。大都会ロンドンに住むごく普通の人々のごく普通の生活を、ホントに自然なタッチで描いてる。“手ぶれのカメラ&荒い画像”のドキュメンタリー式の撮り方って、最近じゃ飽き飽きってくらい目にするでしょ?この映画でも、そんなカメラワーク使ってるシーンがあるけど、鼻につかずにすんなり見られる。その理由は、ズバリ登場人物と背景とのバランスにあるんです、ハイ。ストーリーが進行してるときも、背景のエキストラの声や姿がバンバン画面に入り込んでくる。はじめアップになっていた登場人物がスーッと背景に溶け込んでいく感じ。だから、主人公たちがどこにでもいるような普通の人たちに見えてきちゃいます。
ロンドンの街がたっぷり見れるから、ロンドン好きにはたまらんです。でも、舞台はロンドンでなくてもいいのかも。だってこれはどんな都会にも見られる風景ですもん。この福岡の街にも、たくさんのナディアがいるんだろうな。どんな人が観たって、この映画の主人公たちの誰かに、自分が重なって見えてくるはず!だから、これは「もう半分の自分探し」をしている女の子以外にもオススメの、地味だけどジーンと心に染みる一本。あ、ちなみに私はノイローゼのおばさんに涙しましたよ。
主演のシャーリー・ヘンダースンは『ノッティング・ヒルの恋人』にも出ていた知的な雰囲気の美人さんですが、こんな繊細な役も演じられるなんて、脇役にしとくのがもったいない!原題の“WONDERLAND”は『不思議の国のアリス(“Alice in Wonderland”)』から取られたタイトル。ウサギの穴に入り込まなくても、現実が不思議の国。誰もがストーリーの主人公になれるってことを物語ってます。

この映画のお供には飲むヨーグルト
(ちょっぴり切ない甘酸っぱさがぴったり。)
協力/TSUTAYA大名店



















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