『8人の女たち』 監督 フランソワ・オゾン ★★★☆☆
キャスト カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール
2002年フランス
クリスマスも目前なのに、ポカポカお天気でちっともらしくないですね。気分だけでも盛り上げたいところ。そんな訳で、今回もまたまたクリスマスにちなんだ一本を。このコーナー初のフランス映画になります。『8人の女たち』。ストーリーがどうのこうのと言う以前に、“フランス映画界のスター女優8人勢ぞろい!”ということで話題をさらった異色のサスペンスです。
『8人の女たち』というより『8人の女優たち』って言ったほうが正解かも。カトリーヌ・ドヌーヴ(『インドシナ』)、エマニュエル・ベアール(『ミッション・インポッシブル』)、イザベル・ユペール(『ピアニスト』)、ヴィルジニー・ルドワイヤン(『ザ・ビーチ』)、ダニエル・ダリュー(『ロシュフォールの恋人たち』)など、フランス映画界歴代のトップスターがズラリ。フランス映画は普段あんまり、という人でも、カトリーヌ・ドヌーヴとエマニュエル・ベアールあたりは聞いたことあるのでは。さらにこの映画でお気に入りの女優さんが増えるかも!
出演者8人のそれぞれの持ち味が、見ていて気持ちいいほど発揮されています。まずオープニングからして、8人の女優たちへのオマージュです。大輪のバラ、可憐な野花、すがすがしいヒマワリ、と次々に美しい花が画面に大映しにされて、キャストの名前を飾る。「百花繚乱」とはまさにこのこと。
さて、ストーリーをかいつまんでお話しすると、ロンドンに留学していたシュゾン(ルドワイヤン)がクリスマス休暇のために実家のお屋敷に戻ってきます。ここから物語がスタート。彼女を出迎えるのは、揃いも揃って個性の強い家族の面々。気品漂う美しさの母親ギャビー(ドヌーヴ)、足腰は弱ってるけど口は達者なおばあちゃんのマミー(ダリュー)、やんちゃな妹カトリーヌ(リュディヴィーヌ・サニエ)、オールドミスで愚痴の絶えない叔母オーギュスティーヌ(ユペール)、陽気で頼もしい古株メイドのシャネル(フィルミーヌ・リシャール)、そして怪しげな美女の新参メイド、ルイーズ(ベアール)。お父さんの妹ピエレット(ファニー・アルダン)まで加わり、一族が勢ぞろいします。
みんなが揃ったところでほのぼのホームドラマが始まるかと思ったら、物語は一転してサスペンスに。寝室で休んでいたはずのお父さんが、背中にナイフを刺されて死んでいた!ここから、アガサ・クリスティばりの犯人探しが始まります。屋敷は雪で閉ざされ、電話は何者かに回線を切られて通じない。陸の孤島と化した屋敷の中で、お互いがお互いを探り合う。観ているこっちからしたら、誰もが怪しくて、犯人に見えてしまう。こういう時にはたいてい一番シロに見える人が犯人だけど、この映画では全員が何かしら人に言えない秘密を持っていて、みんなして怪しい!
でも、物語の中心は、犯人探しから奇妙な方向にズレていきます。それぞれが抱えている秘密が徐々に暴露される。不倫、妊娠、殺人、近親相姦に同性愛。ビックリな事実が明らかになっていき、しまいには犯人探しはどうなったの?!ってくらい、死んでしまったお父さんはそっちのけになってしまって・・・。最後のどんでん返しは見事です。お父さん、ちゃんと舞台を閉めてくれました。
女優たちのコミカルな演技が楽しい。舞台は居間とキッチンだけ。まるでお芝居の舞台を見ているようです。衣装と部屋の色使いがカラフルでキュート。1950年代のディオールをイメージしたそうです。こういうオシャレで愉快なサスペンスドラマってかなりユニークですね。女優たちの歌とダンスを見るだけでも一見の価値あり!
映画のお供

フランスといえば、口の中でほんわり甘さが広がるバターたっぷりの焼き菓子。まんまるクッキーを焼いてみました。


















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