『メゾン・ド・ヒミコ』 ★★★★☆ 2005年 日本
監督 犬堂一心
キャスト 柴崎コウ、オダギリジョー
終わったあとに余韻が残る。犬堂監督って、そんな映画を作る人です。『メゾン・ド・ヒミコ』で扱われるのは、同性愛、老い、死、とかいうリアルな問題。この映画は、差別や孤独にぶつかりながら生きていく人々を、やわらかな光で包み込むように描いていく。映画音楽を手がけるのは18年ぶりという細野春巨のピアノ曲が、繊細で美しい。
舞台はゲイ専用の老人ホーム“メゾン・ド・ヒミコ”。そこを経営するのは、美輪明弘をホウフツさせる麗人、ヒミコ(田中泯)。彼は若いころ妻娘を捨てて、ゲイの道を選んだ。その彼が、今は老い、死を迎えようとしている。ヒミコを愛する青年、春彦(オダギリジョー)は、彼と娘を引き合わせ、親子の絆を取り戻そうとする。それがヒミコへの最後のプレゼントと思って・・・。
娘・沙織役の柴崎コウがのびのびしていい感じ。沙織は、父親に反発してなかなか素直になれない女の子。全編ほとんどしかめっ面で、しかもノーメイク。ホームの住人から、「あんたみたいなブスよりオカマのわたしのほうがマシだわ」って言われちゃいます。でも、意地を張ってがんばってる、不器用なとこが、すごくかわいく見えてくる。
オダギリもGOOD!ゲイっぽい雰囲気が全然わざとらしくない。愛する人に置いていかれる孤独感とか、絶望感がヒシヒシと伝わってきて切ないです。ゲイかどうかとかは、どうでもいいように思えてきました。ただの、ひとりの人間として見えてくる。オダギリって、役をしっかり自分の中に取り込んでやる演技派です。衣装もオシャレで要チェック!
田中泯は、出番は少ないけど圧倒的な存在感。わきを支える“ヒミコ”の住人たちもステキ。ひたすら明るくて、キワどくて、かっこいい。彼らは「ゲイ嫌い」を公言する沙織と、けんかして大騒ぎ。でも、彼女が来たことで、ホームの暮らしは活気づいてくる。沙織は少しずつホームにとって欠かせない存在に。そして彼女にとっても、そこは長い間捜し求めていた「自分の家」になっていく。大枠はそんなお話で、そこにゲイと普通の人の恋愛がからんできます。
春彦は根っからのゲイだけど、沙織に惹かれていく。沙織は、相手がゲイとわかっていながら、気になる。愛っていろんな形があるんだなぁって、この二人を見てて思いました。二人がどうなっていくのか、いろんな可能性を残して映画は終わります。観る人それぞれ、色んな感じ方ができるから、こういうオープンなエンディングって好きです。このあと、どうなるんだろう?観おわったあと、しばし考えてしまいました。
今回おススメの映画のお伴は・・・

映画の中で作ってたおはぎがおいしそう。でも季節的にはお月さま見ながらお団子。秋ですね。


















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