『ブロークバック・マウンテン』 2005年 アメリカ
監督 アン・リー
キャスト ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール
ちょっとした話題になってますね。若手人気俳優のヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールがゲイのカップルを演じ、アカデミー賞3部門を受賞した異色作。山で羊の番をするというキツイ仕事をまかされたふたりの青年。ふたりきりで山の生活を送るうちに、純粋な友情がいつしか愛情に変わっていくというお話。でもコレ、ゲイ映画という一つのジャンルにおさまりきれない作品です。人を愛することをストレートに真正面から描いた純愛ドラマ。それもとびきり感動モノの。ことばにできない想いとか、好きな人に会えないもどかしさとか、一緒にいるときのシアワセな気分とか。主人公の気持ちにスーッと感情移入。切なくて、でもさわやかな後味の作品。この春イチオシの恋愛映画です。
牧場主のところに仕事の口を探しにやってきたイニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)。そこで出会ったふたりは、ひと夏の間、チームを組んで羊の番をすることになる。無口で無骨なイニスと、いたずら好きで少年のようなジャック。性格は正反対なのに不思議と気が合ったふたりは、次第に固い友情で結ばれていく。その友情はいつしか愛情へと変わり、そしてある日、ふたりは一線を越えてしまう。そのあたりの展開はイキナリでちょっとビックリクリ。まあ、「純粋な友情」とはいっても、ジャックは最初からソレっぽい感じがします。にしても、この急展開にはドキドキしてしまいました。ひと夏の仕事を終え、イニスとジャックは別々の人生を歩みはじめる。けれど、お互いを忘れられずに再会したふたりは、家族に内緒で密会を重ねていくのだった。
全体を通して、絶対にやりすぎない押さえめの作り方。せりふは少なめ。特に主人公ふたりの間のやりとりは、ポツリ、ポツリといった感じ。だからなおさら、ひと言ひと言に大切な意味があるみたいに思えて、ジックリ耳を傾けてました。短い会話から、ふたりの距離感が伝わります。縮まったり、離れたり、スレ違ったり、ときにはぶつかったり。こういうせりふのテンポは、心地いい。さらに、せりふのない場面の作り方がこれまたスバラシイです。ふたりが初めて結ばれた晩に、羊の番をすっぽかしてしまったイニスは、翌朝オオカミにやられた羊の死骸を見つけます。食い裂かれた死骸をじっと見つめるイニス。そのワンカットで、彼の後悔と罪悪感が見事に表現されていて、印象に残るシーンでした。
この映画を観て思ったんですけど、恋愛の傾向には色んなタイプがあると思うんです。好きな人ができたらいつもその人のコトを考えてしまう、会えなかったら生きてる気がしないっていう直情タイプ。別名、恋愛依存型?ジャックはこのタイプ。別れ際にただこねるとこなんか、なんだかおとめチックでカワイイです。イニスは、会えなくてもずっと一途に相手を想う人。このタイプは仕事を優先しがち。隠れ泣きもします。イニスを見てると、なんだか自分に思えてきて、こりゃいかんって思ってしまいました。素直は大事ですね!!
そもそもふたりがどうしてゲイであることをそこまでひた隠しにしなきゃいけないのか、考えたらフシギですけど、1960年代のアメリカは今じゃ想像もつかないほど保守的な社会だったそうです。カウボーイが住む地方の町では特にそうだったのかもですね。この時代のことに、興味が沸いてきました。映画の中で一つだけ残念なのは、女性登場人物の描かれ方がちょっと物足りないこと。主人公を脇で支えるキャラがもう少し丁寧に作られてたら、迷わず5ッ星つけたのにな~!
今回おススメの映画のお伴は・・・
ホットココア。外でのんびりキャンプ気分で。


















コメント