『ドット・ジ・アイ』 2003年 イギリス/スペイン
監督 マシュー・パークヒル
キャスト ガエル・ガルシア・ベルナル、ナタリア・ヴェルベケ
最後まで先が読めない!ウーンとうなってしまうくらい賢い脚本。次々と予想を覆す展開に、騙されっぱなしでしたよ。フランスのドーヴィル映画祭でオーディエンス賞を受賞したそうです。予測のつかないプロットに引き込まれてしまう。派手さはないけど、賞を取ったのがナットク、というスリリングな面白さです。
独身さよならのパーティで、夫以外の男とキスをする――そんな習慣に従って、カルメン(ナタリア・ヴェルベケ)はレストランで出会った男、キット(ガエル・ガルシア・ベルナル)とキスをする。これがきっかけで、二人はお互いが気になり始める。カルメンの変化にフィアンセも気付いて・・・。ひとりの女をめぐる二人の男。三角関係が、スピーディに展開していく。カルメンとキットは結ばれるのか?フィアンセはどうなる?と、ここまではすごぉ~くありきたり。めちゃくちゃベタな筋なんですが、何だか変です。
時々画面がハンディカムで撮ってるみたいに粗くなる。どうも、三人の様子を影からカメラで映し続けている人がいるようです!カメラの背後に潜むのは誰か?目的は一体何なのか。薄気味悪い謎の存在が、ストーリーを大きく変えていく。
出だしのさわやかなラブストーリーっぽい雰囲気から、どす黒い渦に吸い込まれるようにどんどんサスペンス色が強くなっていくのがユニーク。約90分という短さも、緊張感が味わえて良いですね。この映画は、とにかく“いかに観客を騙すか”ということに賭けた作品。うわべと真実とのギャップを利用して、騙しの世界を何層も張り巡らせます。スクリーンに映るものは、実は本当ではなかった――そういうタネ明かし的なことって、サスペンスドラマではよく使われますけど、この映画はそんなサプライズがこれでもかってくらい続出するんです。
そんな騙しの世界を操るのが、ビデオカメラ。この映画では、カメラがとっても重要なアイテムになります。「カメラは、人を騙しはするが、嘘はつかない」という映画の中のセリフは、観る人をあざむく仕掛けがたっぷりのこの映画を、一言でまとめたみたいな言葉ですね。もちろん映像だけじゃなくて、俳優の演技(=ウソ)の上手さも大事です。フィアンセ役のジェームズ・ダーシーは、真逆の人格に急変する表情がホントに怖い。地味で純朴そうなフィアンセが、冷酷なサイコに豹変する。背筋がゾォッとします。現実にこんな人がいたら人間不信になっちゃう!そういえば、“人格が変わる”シーンでわたしが一番衝撃を受けたのは「真実の行方」のエドワード・ノートン。弁護士役のリチャード・ギアに礼を言うラストシーンは何回観てもゾワッとします。「真実の行方」も始終ハラハラさせられるサスペンス。お気に入りの一本です。
観終わった後、不思議に思ったことがひとつ。一番の食わせ者は誰か?ということ。人によって答えは色々出てきそう。わたしはガエル・ガルシア・ベルナルが演じるキットかな、と思います。何喰わぬ顔で結局一番得してるし。ガエル君はいつもモラルに欠けた役が多いから、そういう先入観もあったりして。みなさんなら、誰が一番のクセ者だと思いますか?
今回おススメの映画のお伴は・・・
見た目と中身のギャップといえばコレ!ぜひ一度お試しあれ。


















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