
村山由香里
(代表取締役/福岡編集長)メーカーでOLを3年、編集と広告営業を8年経験して34歳で起業。「働く女性を応援するネットワーク型情報誌」をコンセプトに情報誌「アヴァンティ」を出版。誌面やイベントで女性たちの勇気を後押しする企画を展開している。最近では、大学や企業、行政などでの講演も多い。 |
新入社員の飛び込み
朝、お客さま用のテーブルで打ち合わせをしていると、某大手証券会社の営業マンが、元気よく飛びこんできた。
「社長の名刺をいただきたい!」
「もしかしたら、新入社員?」
「はい、そうです」
「うちも新入社員入ったから、紹介するね、よろしく」
と、その場で社内にいた新入社員2名を紹介した。
「お友達になってあげてね。資産運用は、あんまり興味ないけど」
名刺交換をして、うちの2人は、「わー、新入社員ですかー? そんなに見えなーい」
とかなんとか、おしゃべりしていた。
沖縄出身で筑波大学卒業らしい。
「じゃあね」
と、返そうとすると、きびすを返して、
「ちゃっかり、携帯の電話番号書いてもいいですか?」
と、うちの新入社員に渡した名刺に、携帯の電話番号を書いていた。
「じゃあ、合コンでもしたらいいね!」
「わが社は新入社員は4人です」
「アヴァンティは、3人です」
きゃー!
「こんな会社、初めてです」
と、笑って帰っていった。
忘れていた言葉
今日、去年インターンシップに来た福大4年生Kさんが、「就職が決まりました」と挨拶にきた。
インターンシップは、いろんな大学から、けっこう何人も受け入れるが、こんなふうに挨拶にくるのは珍しい。
「社長にお昼ごはんをごちそうになって、話して、就職できたのは、そのおかげです」
「え? 一緒にごはん食べたの? 何人か一緒に? それとも2人で?」
私は、全く覚えていなかったのだが、言われて、あ、そうかと思い出した。
「銀の桃」で2人でお昼を食べた。
食事しながら話していて、会話がぶちきれる。
なぜか。
はい、とか、いいえ、とかは、ちゃんと答えるのだが、「なぜ、そう思ったのか」とか、自分が感じたことを具体的に話そうとしないので、いちいち、私のほうで、「どうしてそう思ったの?」「それで?」と、質問してやらなければ会話が続かない。
「あのね、私はやさしいから、こんなふうに質問してあげるけど、普通、面接では、こんなふうに聞いてくれないよ。自分の言葉で自分が思っていることを具体的に話さないと、『はい』や『いいえ』だけだったら、あとが続かないでしょ? 相手もつまらないよ」
彼女にとっては、目からうろこの衝撃だったらしい。
会話は、自分の全身で表現するもの。相手に興味を持っているのか否か、興味をもったら、全身で表現して聞くし、自分の感情を言葉にしなければ、コミュニケーションできないし、仕事にならない。
「日記にも書いたし、教授にも話しました。あれから、気をつけるようにしたんです。あんなこと、親も言ってくれません」
こっちがびっくりした。
なにげなく言っている言葉が、その人の人生に関わることがある。
若い頃って、そんなもんだ、と、改めて思った。
「来てくれてありがとう」
心からそう言った。
今度は、きっと、一生忘れない。
これからあなたがどんな人生を送るのか、楽しみに見ている。

村山由香里
(代表取締役/福岡編集長)















