ピヨのブックカフェ

ためになる本、ひまつぶしの本、今話題の本など、福岡のとある本屋からノンジャンルでおすすめしていきます。本の情報交換も大募集!

ピヨ プロフィール
小さい頃から本が大好きで、趣味が高じて現在福岡のとある書店に勤務中。好きなジャンルは歴史物。アヴァンティでインターンシップ中にコラムニストとしてスカウトされる。ランチタイムに本のことばかり話していたから!?もひとつ好きなもの、それはネコ!本とネコに囲まれて暮らすことが何よりの幸せ。ピヨはひよこに似ているから。

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アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー

 お久しぶりの更新になってしまいました!ご無沙汰してます、ぴよです!!更新が滞ってしまってすみません。。今回のオススメは「アヒルと鴨のコインロッカー」です。タイトルからして不思議な感じです。「アヒル」と「鴨」と「コインロッカー」に何の関係があるのか、ちゃんと本編で明らかになります。あらすじはこんな感じ↓↓


椎名は大学入学のために引っ越してきたアパートで、尻尾が曲がった不思議な黒猫に出会った。その次に出会ったのは悪魔を思わせる黒ずくめの男、河崎だった。初対面の椎名に河崎は突然、「書店を襲わないか」と持ちかける。標的は何とたった一冊の広辞苑!?冗談じゃないと思ったはずなのに、決行の夜、椎名はモデルガンを持って書店の裏口に立ってしまった。

一方、書店強盗決行の二年前、ペットショップで働く琴美は最近街を騒がせている「ペット殺し」に苛立ちを覚えていた。そんなある日、恋人のブータン人、ドルジと公園にいた琴美は「ペット殺し」の犯人と思われる若者たちに遭遇する。琴美は彼らに食って掛かるが、逆に目をつけられることになってしまい…。現在と過去、二つの物語が交互に進行し、やがて河崎が本屋を襲撃した本当の理由が明らかになっていくのだが…!?


 帯についていた河崎の決めゼリフ(?)「書店を襲わないか?」に、つい衝動買いしてしまった一冊です。最初に本の裏のあらすじを読んだときはコメディかと思いましたが、終盤はなかなかシリアスな内容になっています。

物語は冴えない大学生の椎名が主人公の「現在編」と、ペットショップでバイトをする琴美が主人公の「過去編」によって構成されています。一見全く関係のない二つの時間をつなぐのが、河崎です。現在編では河崎は椎名のアパートの隣人、そして彼に書店強盗を唆す変わった人物として描かれています。

一方、過去偏では、主人公琴美の元彼として登場し、超美青年でこの世の女性すべてと付き合う野望を抱いている自信家として描かれています。大学進学のために一人暮らしを始めた椎名が最初にアパートで出会ったのは尻尾が曲がった黒猫。その次に会ったのが、彼の運命を変えてしまったとも言うべき人物、河崎。河崎は会って早々椎名を書店強盗に誘います。

同じアパートに住む外国人が元気がないので、広辞苑をプレゼントしたい、それは買った広辞苑では意味がない。盗んだ広辞苑をプレゼントしたいと言う河崎。「椎名がやるのはたいして難しいことじゃない」と、河崎は椎名に強盗の際の見張り役を頼み、断るつもりだった椎名はなぜか決行の晩、書店の裏口に立ってしまいます。そして難なく強盗は成功し、河崎と椎名は広辞苑を手に入れたはずでした。しかし、河崎が奪ってきたものを良く見ると……?

 この「アヒルと鴨のコインロッカー」、書店強盗がメインテーマのようにあおり文句が書かれていますが、実は単なる通過点に過ぎません。河崎にとって書店強盗には広辞苑を奪うよりもっと重要な意味があったのです。それは物語を読み進めていくうちに明らかになっていきます。

この物語は現在と過去が交互に進行していきますが、まるでパラレルワールドのように微妙に二つの世界はずれています。私は伊坂幸太郎さんの作品は初めて読んだのですが、パラレルワールドを描くのはこの著者の得意分野のようです。

特にこの「アヒルと鴨のコインロッカー」は秀逸で、河崎という人物以外何の共通点もなかった二つの時間軸が、最後はまるでパズルのピースがぴったりと合わさるようにつながります。伏線をこれでもかというくらいはっておいて、終盤に向けて一気に組み合わせていく作家さんという印象でした。

途中からおもしろいくらい謎が解けていくのですが、謎が解けていけばいくほど切なさが増してきます。2005年「このミステリーがすごい!」2位に輝いた作品ですが、単なるミステリーだけでは終わらない奥深さがあります。

この作品、映画化されているのですが、私は読んだ後この作品を映画化するのは無理だと思ったので、どんな風に映像化されているのか楽しみにしています。作者自身も映画化は無理だと思っていたそうです。

 多分、この作品を読んだほとんどの人が同じところで「だまされた!」と思っていると思います。私も見事にだまされました。ぜひ挑戦してみてください!時間がたっぷりある時に一気に読んでしまうのが良いです。時間がなくて途中でストップしてしまうとかなりモヤモヤが溜まりますよ~。テンポがいいのでさらさらっと読めると思います。オススメは二度読みです。一回読み終わった後にもう一度最初から読むと、初読とはまったく違った角度から物語を読めます。オススメです!


コメント

アヴァンティ7月号で映画「アヒルと鴨のコインロッカー」を紹介しました。
配給関係者の方に「実は原作者のファンです」と漏らしたところ、
「ここにもいた!」と笑われました。映画関係者にも「実は伊坂ファン」
という人は多いようです。ほんと、どういう風にこの作品が映画化されるのか楽しみですね。
私は一度しか読んでなくて、たぶんピヨさんと同じところで「だまされた!」と思いましたが、
2度読みがオススメとのことなので、この週末にでも挑戦してみようと思います。

のん at 2007-06-27 10:48:52

『伊坂ファン』ののんさん、さすが書き込み早し!
私もこれ「読んでみたいリスト」にはいってる作品です。
でもまだ読んでない・・・。
なので↑のレビューは読後までとっときます。
ぴよちゃんオススメならきっとおもしろいだろうから、早いトコ本屋行きます!

つぐお at 2007-06-27 11:22:04

お久しぶりです♪

"アヒルと鴨のコインロッカー"おもしろそうだなぁ☆
ぜひ読んでみたくなりました。
またねっ。

ます at 2007-07-16 12:51:28
一言どうぞ
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