インタビュー

服部祐充子さん/出逢いは夢の始まり・・・ 人や物の向こう側にある 物語を大切にしたい。

服部祐充子(はっとりゆみこ)さん
北九州国際交流団体
ネットワーク幹事(副会長)
1952年佐賀県生まれ。10歳から北九州市在住。東筑高等学校卒業後、養成コースを経てYAMAHA音楽教室エレクトーン科講師となる。2006年『地球交遊クラブ』を立ち上げ、国際理解と環境保全を中心に活動を展開。北九州市市民活動サポートセンター専門相談員なども務め、幅広いネットワークを生かしてさまざまなプロジェクトに関わっている。

出逢いは夢の始まり・・・ 人や物の向こう側にある 物語を大切にしたい。

鮮やかなレインボーカラーの名刺に、『地球交遊クラブ』など4つの団体名と、市の審議会委員等の役職名がずらりと並ぶ。「人とのご縁で、気がついたら増えていったんですよ」と朗らかに語る服部祐充子さん。「ちょっとした相談に乗ったり、人や物事を紹介したり。今自分にできることをやっているだけなんです」。

人生を変えた「地球のステージ」

27歳の頃は、エレクトーンの講師をしていた。「今思えば、音楽以外のことは何も考えていなかった。私の人生は50歳過ぎてからスタートした感じですね」。29歳で結婚後も二人の娘を育てながら講師を続けたが、父親の介護を機に仕事を完全に辞めることにした。40代は長女の不登校とも向き合い、育児と介護中心の生活を送った。

父親を看取った後、服部さんは過去の時間を取り戻すかのように、精力的に外へ出る。市民大学に通い、心理学、介護、福祉など興味あることを徹底的に学んだ。まちづくりにも関わり、持ち前の好奇心と行動力でフィールドを広げていった。

2006年の夏、転機は訪れた。知人に誘われて行った「地球のステージ」。国際医療支援活動を行う宮城県の心療内科医・桑山紀彦さんが、音楽と映像を通して現地の様子を伝える公演だ。ソマリア、パレスチナなど紛争の絶えない国で、懸命に生きる子どもたちに目を奪われた。

国際問題と医療支援。新しい世界に触れ、涙が止まらないほど衝撃を受けた服部さん。一人の人間として、ありのままを伝える医師の姿にも強く惹かれた。

身近な地域と世界をつなぐ

「北九州で地球のステージをやりたい!」と思った服部さんは、まちづくり活動で知り合った学生たちと一緒に『地球交遊クラブ』を立ち上げ、公演を招致した。学生とチームを組んだのは、素敵な大人に若者たちを出逢わせたいと思ったから。その後も北九州で広がった「地球のステージ」応援ネットワークの一員として、年一回の公演招聘を目標に活動を続けている。活動を通して、行政サービスにも詳しくなった。「市民が行政施設や助成制度を活用しないのはもったいない」という。現在は市民活動サポートセンターの相談員として、市民と行政をつなぐ役割も担っている。

去年からは『北九州未来映画祭・東田シネマ』の立ち上げに参加し、環境ミュージアムなどでドキュメンタリー映画の上映を始めた。「人を応援したり伝えたりすることなら私にもできる。とにかく行動しようと決めてから、出逢いが増えました」。 さらに、東ティモールの応援をしたいと思っていた服部さんは、現地の有機栽培コーヒーを知り、認定NPO『ピースウィンズ・ジャパン』を通してフェアトレードコーヒーの普及活動を始めた。2年前には『しあわせコーヒー研究所』を立ち上げ、一般社団法人化を目指して準備中だ。「黒崎にいい場所を見つけて、カフェをやりたいんです。いろいろな人が集う拠点を作りたいですね」。

東ティモールへのスタディーツアーも敢行して現地に足を運び、ますます夢が広がる服部さん。市民コーディネーターと呼ばれることもあるが、自分で一番しっくりくるのは〝下宿のおばちゃん”。国際理解と環境保全をキーワードに、身近な地域から世界へ虹の橋を架けていく。

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